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ホームレスは街路樹と同じ?

クリスマスイブの日、ダウンタウンからのバスに強烈な悪臭を放つ白人の若者が乗っていた。カナダのホームレスは先住民が多いという話だが、私は比較的若めの白人しか見たことがない。

私がよく利用するバスはダウンタウン付近のホームレス街を通るため、よくホームレスが乗っている。
彼らは、集めた空き缶などを大量に持っているので、前方の座席を利用することが多い。なので、私は後方に座ったのだが、その若者はバスの最後方にわざわざ移動して、椅子に足を投げ出して独語しながら(悪態をつきながら)むしゃむしゃチョコのついたドーナツのようなものを食べている。

バンクーバーのホームレスあるいは薬中は、他人を襲うことはあまりないと言われているため、私も刺激しないように黙って座ってたが、彼が唾を吐き始めて、飛沫が飛んできたため前方に避難。汚いのう・・・

すると、彼はだんだん興奮してきて、声が大きくなったり、カチカチ物音を立て始めた。武器でも持っていたら嫌だなーと思い、運転手に「あの、後ろに座ってる乗客が怖いんだけど」というと「言ってる意味がわからない」と言われた。大概のホームレスは、途中のシェルターがあると思われるバス停で降車するのだが、彼は降りる気配がない。

その後バスは、なんと途中のバス停で時間調整のために停車。ドライバーが警察にでも連絡してくれるのかと思いきや、スマホいじってるだけ。若者はイライラして不穏な様子。他にも数名乗客がいたが、みんな無視。

私は、もう一度ドライバーに、あの乗客が怖いんだけど、早くバスを出してくれないか?と言ったら「時間調整中だ。もうすぐ出る」と。全く、その若者について言及なし。

ようやくバスが出発。次のバス停で、小柄な中国人のおばちゃんが乗ってきた。おばちゃん、私の向かいに座り、マフィンをむしゃむしゃ食べながら、「雪だねー。買い物に1時間かかっちゃったよ」などと話しかけてくる。(公共交通機関の中はマスク着用義務あり💦)

適当に相槌を打っていたら、若者がバスの窓ガラスを何かで叩き始めた。おばちゃん、突然立ち上がって「そこの男、何やってる!やめなさい」とバス中に聞こえる声で怒鳴った。
若者「何もしてないよ」と小声で答える。
おばちゃんものすごい剣幕で「嘘つくな、みんなみてる。やめろ。今すぐこのバスから降りなさい。」「ドライバー、あの男をおろして!」

ドライバー、無視・・・
他の乗客も無視。

うわぁ、早くこのバスから降りたいよー
と内心思った。次のバス停が私の降りるバス停なのだが、信号で停車してなかなか進まない。おばちゃんと薬中のバトルに巻き込まれたくないわ〜

「ドライバー、早くだして」と私が催促するがドライバー、全く意に介さず。

やっと、バスから降りれた、と思ったらおばちゃんのあまりの剣幕に恐れをなした、若者も同じバス停で降りてしまった!嘘だろ!

うわー厄介だな〜と思いながら、私は近所の集合住宅の軒下でその若者が立ち去るのを待った。彼は、降り頻る雪の中、どこへともなく消えていった。

結論:ホームレスや薬物中毒は街の風景の一部。
公共交通機関の中で、トラブルが発生しそうになっても、誰も無関心。




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