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断捨離しなければならない


弟が引っ越してくるに当たって私の荷物が多すぎるのでなんとかしてほしいとのこと。何が多いって、本や書類だ。
それでも、東京を引き払うときだいぶ減らしたし、考古学をやめた時点でかなりの本を大学に寄付した。

それでも、まだいっぱいある・・・
そもそも、本棚そのものを処分してほしいらしい。
考古学の本を減らしたが、看護師になったので医療系の本がある。
看護学校の教科書は、申し訳ないけどかなり処分した。現在はだいたいインターネットで情報収集できる。
英語の勉強のための本。オンライン学習だったのでペーパー類は殆どないんだが・・・
なぜ、本が増えるのか問題。
もともと本が好きで、よく買っていた。
論文を書くようになって、参考文献が増えた。
一本の論文を書くためには、100冊ぐらい参考文献を読む必要がある。参考文献の参考文献も見なければならないからものすごい量になる。それを、看護研究でもやった。看護師の論文はそんなになくて、参考文献も短いものが多いからそこまで大量じゃないけど、研究発表した後に、論文にまとめるとなると使用した資料はファイルに保存しておかなければならない。

考古学の研究関係の本は、教育委員会などが記録として作成するものなので限定出版で入手困難。図書館などでしか閲覧できないから、相当時間をかけて本をまるまる一冊コピーしていた。
ああ、捨てるのもったいない・・・
今更研究に戻れるはずもないのだが、89歳になっても八王子からはるばる電車に乗ってきて、土器洗いや接合、復元のボランティアをやってくれていたSさんを思い出す。仕事をリタイヤしたら自分が発掘した土器の整理作業をしたい・・・というのが私の夢だった。

わたし、89歳まで生きるのかなぁ?
それはない気がする。
そんなに生きたら、お金なくなるし・・・
いくら死ぬまで働くって言ったって、73歳ぐらいまでかなぁ。
自分、ボケそうな気がする。73歳でリタイアして75歳ぐらいで死ぬ。
理想的だ。

現実に戻って、トランクルームに預ければ?と言われるが、少なくともあと20年は使いそうもない本を収納するのに毎月2万円払うのはバカバカしい。
1年24万円、10年で240万円だ。
近所のマンションの家賃が3万円だという・・・物置代わりにマンション借りたら?と母。うーん。。。
私の荷物を全部カナダに送ったほうが安くつきそうだ(汗)
今借りている家は、なんだかとても広いのだ。
そう、カナダの家は小さく見えて中が広い。

そもそも、4LDK(100平米)のファミリーマンションに2人で暮らして、それでも手狭だという。日本の家はいったいどうなってるんだろう?

ちょっとむずかしいのが、私が拾い集めた土器片や石器など。考古学を知らない人から見ると、ただのガラクタに見える。
関東、東北、中国のものもある。畑に落ちていたものとかなので学術的に重要性はないのだが、勝手にそこらへんに捨てるわけにはいかない。関東地方の土器が、札幌で発見されました!ってなったらちょっとびっくりだ。捏造事件みたいになってしまう。
かといって、大学に寄付されても困るだろう。表採(表面採集)といって出土地点がはっきりしないものは、あまり価値がないのだ。
農作業のじゃまになるので、畑の隅に捨てられたりしているものを拾い集めて、製図の練習をしたり自分の研究に使ったり、眺めてニヤニヤするために持っている。中国で拾ってきた周王朝時代の土器や瓦片などは、中国歴史オタクの私としては「あれはいいものだ」(ガンダムのマ・クベの名台詞)とつぶやきたくなる。

中国で買ってきた古代鏡。方格規矩四神鏡という、日本の古墳などからも発掘されるやつだ。
あれ、本格的に鑑定には出してないが、本物かもしれない。
だったらだいたい2000年前の物だ。
絶対に捨てられない。たとえ偽物だったとしても相当精巧に作られているので、価値は高いと考える。棺桶にもいれられない。文化財だから。

土器をカナダに持ってきても、カナダはあんまり考古学の研究が盛んではないようだから、見たいという人もあるまい。

まあ、落ち着いたら近隣の博物館に聞いてみるか。もしかしたら、土器の研究をしている人がいるかもしれない。

こうして、私の断捨離は一向に進まないのであった。

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