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65歳の新人がきます

カナダの就職活動に関して、日本とは真逆の発想です。

新しいケアギバーを選考するにに当たって、一番有力なのが65歳の元ナース。私のサポート役をしてくれるというのですが、私が逆にその人のお世話をしなければならないのでは・・・と思ったんですが、

「いやいや、全然心配ない。大丈夫、彼女の方があなたよりも腕っ節が強いから」


だそうです。

一番きついのが、、クライアントの車椅子を押して、往復4kmのトレイルを散歩に行ったりオムツ交換や着替えの際に、クライアントの体をずらしたりする時です。屈んでシャワーを介助したり、車椅子のストラップをつけたりとなんでもないような動作でも毎日行なっているとあちこち痛くなってきます。二年前、ほぼ一人体制でやってた時は首が痛くなりました。

でも、その65歳の方は一人で全部やってなんでもないらしい。

まだお会いしたことがないのですが、プロレスラーみたいな体格?かも。
なにしろ、日本人やフィリピン人のケアギバーはみんな細くて小柄。それに比べて、白人の骨格と体型はなんか全然違う。まるでドラム缶のようなんですよ。
でも、顔が小さいので全然太って見えません!ほんとにずるいわー!

体格はさておき、65歳でもwelcome。むしろ、レジュメに年齢は書いてないので、年齢は不問なんです。
これ、日本との大きな違いですよね。

日本人的価値観では
「若さ=advantage」
なんだけど、カナダはそうじゃない。

日本だと、高齢の労働者はネガティブなイメージ。
看護学校は、一昔前までは新卒しか採用しなかったし、病院も採用に年齢制限があります。市立病院は30歳以下でしたし、私は40代でしたけど、看護学校の新卒だったのでなんとか総合病院に滑り込みました(笑)
それでも、けっこう使いにくそうな新人だと思われたようです。
みんなの親世代ですもんね。
(大病院の看護師は20代40%,30代30%,残りが40〜50代で、55歳から給料が上がらず職位定年となります。60歳からは再雇用の契約社員となり、給料は半分になります。看護師が300名以上いる病院でしたが、私よりも年上の看護師は10人ぐらいでした。)
つまり、年寄りは仕事ができないから邪魔者扱いされるというわけです。
日本の病院時代、唯一私より年上だった先輩看護師は、当時62歳。ちょっとしたミスをするともう辞めた方がいいかな・・・。自信無くしたわ。。。と悩みまくってました。しかも、給料は新人よりも安かったそうです。そりゃないわ。

しかし、カナダはそんなことはない。
ここんところの発想を転換しなければならないな。

ほんとに、なんていうか、自分自身加齢とともに記憶力や集中力の減退、目が見えないから説明書でもなんでも読むの時間がかかる(読むのもめんどくさい)、関節が痛くなるなどのさまざまな衰えを日々感じているわけです。

だから、今からRNの資格を取るっていうのも躊躇する。
今一緒に働いてる同僚も、ベテランではありますが、目は悪いですし、PC系の扱いは全く苦手です。物品の注文は、全部電話・・・
毎回ものすごく時間がかかってるのですが、メールでオーダーするよりも早いと言います。(メールの返信がないカナダなので、それは、激しくわかりますけど。電話でオーダーしても、結局相手が間違ってましたƪ(˘⌣˘)ʃ

クライアントはまだ20代ですから、あと何十年も生きるわけで、私たち50代のケアギバーの次を引き継いでくれる人を見つけなければと思うんだけど、私たちよりもずっと年上なので、その人の方が先に引退します!
80代まで働くのかなぁ・・・むしろあなたの介護が必要なのでは。。。

若い人が来ないのはわかるけど、やっぱり理解不能だわー!

実際十数人応募してきたけれど、面接に現れたのはわずか数名だそうで、さらに面接に来ても断られてしまうんだとか・・・

やばいやばいやばいー

息子には相変わらず
「ママの仕事遊んでるみたい」
と言われるんですが、世の中に遊びながら時給30ー40ドルもらえる仕事が他にもたくさんあるんだろうか・・・

クライアントの疾患の複雑さを知れば、怖くなるのは理解できますけど・・・

ICUやERの経験がある!とすごく重宝されるようですが、そんなことはどうでもいいですよー。
また、私の手拭きタオルが足拭きマットと一緒に洗われてたよ。
もうね、その清潔感覚のなさが終わってる。

そういうわけで、高齢者よ、大志を抱け!
See you soon!

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