【小説】 嫌われてもいい⑦

極度の緊張状態が続いている
そう佳世子は
新しい神経内科に行った時
医師は佳世子の眼を見ていった
眼神経もおこしているようだった
手術をしたい
佳世子は
本当は自分の顔が麻痺によって
崩れるのが嫌だったからだ

医師は言った 
手術をしてもリスクを伴うし
君の口角はちゃんとあがっているから
手術をしないで
穏やかに過ごしなさい

あの時2023年
ずっと手が震えて止まらなかった
祐輔が言う
手が震えているよ
まみは言う
手が震えているよ

祐輔はただ一回遊ぶ為に
カラオケだから、何もしないと
安心してって
錦糸町の602号室に入らせた
嘘をついて
祐輔は六本木やら青山のラウンジで
今みたいに女優の卵の女に
また、秘密を厳守する女に手を出す前に
フェイスブックや仕事での知り合いに
手を出していたから
軽く女性の心を扱っていた

相手の気持ちもわからずに
己のSEX依存症のために

ただ、佳世子は違った
せまい世界でおとなしく生きていた
佳世子の人生を返して下さい
前を向けなどと
他人事みたいに言わないで下さい

祐輔があなたが
人の人生を壊したのだから

いつか彼は自らしっぺ返しにあうだろう

表は少年野球のボランティアをしながら
人との繋がりをもち
コミュニケーションの高さで
相手を安心させる

いい、
やったことは
必ずかえってきます

それが本人ではなく
そう末代までには


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