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【小説】 見ないようにしていたLINE

佳世子は過去のLINEを見ないようにしていた
なぜなら、不安定になっていて
見たら、きっとよけいに訳がわからなくなると
思っていたからだ

LINEをみた
佳世子の言っている
ことはあっていた
でも、1番苦しかったのは
1番あの時苦しかった人は
たぶん彼だった

それがわからなかった
彼はちゃんと対応しようとしていた
ただ、佳世子の側で態度をコロコロ変えた
あの人に振り回されていた

佳世子はわからないフリじゃなくてわからなかった
自分を、守ることで一杯でわからなかった

原因を作ったのは彼だけど
1番おかしいのは佳世子の側にいた 
そう、気づいていて
文句を言っていて
でも、警察には知らなかったと言ったあの人

あの時しっかりと
これからどうやって生きていけばいいか
そして、どんな仕事に就けばいいか
相談するべきだった

でも、あれをもらうことにより
佳世子は
縁が切れて
住む家がなくなることを怖がった

だって仕事をほとんどしたことのない人が
家を探すのは無理だと知っていたから

貸してくれないと知っていたから

だから、何を言われても我慢すると決めた
でも、限界は近づいていた

実家は変わった家だから
ずっと住むには無理だと
わかっていたから

今更LINEをよんだ


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