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人が育つ暮らし

コロナの影響で家庭内でいろんなところで物語が起きていると聞くけれど、それはCo-livingをしている我が家、Cift松濤ハウスでも同じ。

定住者は、大人も子供も家にいるから、どんどん仲良くなるし、いろんなものごとが加速していく。先月越してきたばかりの中学生の長男は、一緒に米粉のパンケーキを作って目覚めたところから始まり、マフィン、ガトーショコラ、プリンとどんどん腕を上げ、ついには本日マカロンを完成させていた。(マカロンは、プロでも作るのが難しいお菓子なのだ。そして私が一番好きな洋菓子)。

しかも、プチ家庭内起業まで志している。うちのダイニングスペースをカフェと呼んでいるのだが、そのカフェのシェフ(パティシエ)になりお菓子を作って、我が一族にサーブし、その茶菓代で、Ciftメンバーに入る入会金を稼ぐのだという。早速Line Pay で300円、チョコマカロンのお代をお支払いした。
簡単に書いているが、これって奇跡みたいなことだと思う。私は、彼がシェフになると宣言している瞬間を見たとき、「願っていた世界が、目の前にある」と感動した。
思い返せば、大学卒業間際、京大という高学歴アドバンテージと裏腹に、将来の道筋が見えなくなっていた私は、大学を選択する手前で「自分の社会やコミュニティの中での立ち位置や働き」について体験したり考えたりする機会がなかったことを恨めしく思っていた。そして、様々な人と関わりながら、助けたり助けられたりする中で自分の社会の中での存在の仕方を育てていくような教育の仕組みが必要だと思うようになった。
ファシリテーターとして大人の育ちについて関わるようになっても、あらゆる基礎を作る子供時代への思いはいつもあった。

そして、今日の我が家の長男を見たときに、こんな風に、「自分が楽しくやりがいを感じることで、周りの人に喜んでもらえることを見つけ、追求していくこと。」それがこれからの時代に人生の軸を育てながら自分を生きるために一番大切なことであり、そんな場所を作りたいと思っていたのだと気付かされた。
私自身は、事業家タイプでもなく、子供を産む感じもなく、「いつかそんできたらね」くらいだったが、その「いつか」が目の前にあった。
しかも、教育を意識して作った場でもなく、私が立ち上げたわけでもなく、家人を愛でながら、暮らしているだけなのだが、自ずと生まれたそんな奇跡に立ち合わせてもらった。本当に感謝だ。

最近、Cift松濤ハウスの住人を、うちの一族と呼ぶようになった。いくつかの血縁世帯を内包しながら、コミュニティ以上に結束が高まり、複合的に互いの人生に関わりながら共に暮らしを作る集団だからだ。

こんな、セグメント分けしない、多世代・複合世帯の住まい方とそれに伴った家族的な関係の育み方は、本当に教育・児童福祉・社会的孤立のセーフティーネット、Happiness Index、そして多分将来は介護も含めて、様々な課題を解決し得る可能性に満ちた存在だと思う。後々、うまく世の中にも還元して行けると良いな。
さて、どこまでみんなで行けるかな。

定住者 丹羽 妙

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