待ち合わせ:日本、フランス、アフリカ流

日本の場合

日本は約束の時間の前に行くのが当たり前とされる。

出勤時間も、仕事が始まる前に職場に着き、身支度などを調えて始業時間には仕事を始める。
人との約束も、時間前に着こうとするだろう。

約束の時間に遅れるのは非常識とされると思うけれど、それは世界共通ではない。
たぶんマイナーな考え方。

フランスの場合

例えば食事に招かれたら、時間前どころか時間通りにも着いてはいけない。少なくとも5分、できたら15分くらい遅れるのがよいとされる。30分くらい遅れるのもありあり。
主催者が準備をして、ほっと一息つく時間をあげるという心遣いだ。

仕事の場合は、契約によるけれど、始業時間は会社にいることを求められる時間。
そこから同僚と挨拶しあったり、コーヒーを飲んだり、休憩にたばこを吸いにいったり、お昼時間前にお昼に行く準備をしたりする。それらも慣習として仕事時間に含まれる。

お店の閉店時間と従業員の勤務終了時間が同じなら、従業員は閉店前に掃除機をかけはじめる。閉店時間前にレジが閉まる。
閉店時間ぎりぎりに入ってもそのままお買い物をさせてくれる日本とは、考え方が根本的に違う。

同じ人間でありながら、従業員の勤務時間を犠牲にして、客である人間が買い物をしていいなどということは、非人道的なのだ。

列車も10分くらいは送れたうちにカウントされない。
1時間遅れることもよくある。

ただし、公証人や銀行、医者、役所との約束は時間通りが求められる。
こちらの立場が弱いからだ。遅れたから今日はもう受け付けられないとばっさり切られることがあるので要注意。

アフリカ・ジブチの場合。

かの国では、約束の時間に起きるくらいでちょうどよかった。
それを知らないころ、待ち合わせの時間に行って30分以上待っても誰も来ないし電話も通じないので家に帰ったら、それから30分以上して「ずっと待ってるけどどうしたの?」と電話がかかってきた。

待ち合わせの時間から1時間半くらい後のことだ。
彼女たちが30分待ったとしても、約束の1時間後に着いたことになる。
約束の時間には昼寝していて電話に出なかったのだ。

待たされたときは腹が立ったけれど、慣れてしまえばこちらもなんだかゆったり過ごせる。

ジブチの人々がいつも楽しそうにおしゃべりしながら歩いていたのは、時間の制約なく生きていられたからかもしれない。


「時は金なり」といつも急いでどんどん稼ぐ生き方もエネルギッシュでいいけれど、「時は人生なり」と今を楽しむ生き方ものんびりしていて悪くない。

自分で今はこうだと意識して選べるといいですね。



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