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フランスは絶賛スト中。


今週フランスを旅行する方は、列車の移動に要注意だ。

マクロン大統領の年金改革に反対するストが全国的に展開されている。
国鉄(SNCF)はストが大好物なので、ここぞとばかりに強気の姿勢だ。

例え予約をしていても、列車が知らないうちにキャンセルになっている可能性もある。

例えば、アリエ県ムーラン行きの列車。下の案内を見ていただきたい。

「Annulé」は「キャンセル」
「Indisponible」は「利用不可能」
「Pour information」は「参考まで」の意味。
なぜ列車によって表示が違うかは、一般フランス人にもわからない。

下にはないが、Completとあったら満員。
どれも乗れないことだけは確実だ。

眠い頭で検索していると、直前のNeversまで行って、2時間待ちでムーランまで代替バスで行く方法があった。それで帰る?
朝9時の列車に行くのに起きられるのか?

SNCFを信用していない夫は夜中に車で迎えに来ると言ってくれる。
でも往復7時間が仕事&睡眠時間から削られてしまう。

ダメだ。眠すぎる。頭が働かない。
「明日の朝改めて考えさせて」と返事して寝ていたら、友人からメッセージが入っていた(これは夜中に書いている)。

ムーランの1つ先のヴィシーに停まる列車があるという。
列車で30分、車で1時間の距離だ。

うふふふふ。
夫は明日仕事でVichyに行くのだ。

見ると通常よりやたら高いが、ちょうど良い列車があった。
これならあまり迷惑をかけずに帰れそう。
夫は仕事だから運転手さんもいるし、車が大きくて荷物も余裕で乗る。


ということで、帰れる目処が立ってきた。

優秀な友よ、優しい夫よ、ありがとう。

列車の駅までは夫の父が送ってくれるはず。
夫の母はベッドと食事を用意してくれ、早くに寝かせてくれた。
至れり尽せりだ。

本や食料を帰る直前に大量に買い込み、荷物を重くしてしまったわたし以外は、みんな賢くて優秀。

よく「運がいい」と言われるが、その通りだと思う。
今回はさすがに無理があるなあと思ったが、運の良さを再確認する経緯となった。乗って着くまではまだなんとも言えないけれど。

「夫と義父に相談して、チケットを取るのは朝にしよう」と思いつつ一応確認したら、残席3。
夫からは「今日列車に乗るなんてと反対だ」とすでにメッセージがあった。
わたしも車で迎えに来てもらった方が楽だ。

さあ、どうする?

わたしの答えは、「朝を待たずにチケットを買う」だった。

ストだし、荷物を持って歩くの大変だし、いろいろ不確実だ。
でも、夫が夜中に往復7時間運転するのは極力阻止したい。

厚意に逆らってスト中のパリに突っ込んでいく選択をしたわたしに夫が呆れるのは必至だが、言うことを聞いてばかりもいられない。

そうだ。今気が付いた。
スト中のパリを見て、ストの最中に列車に乗る。
そのことに惹かれているのかもしれない。

でもしょうがない。
それがわたしなのです。

面白くなってきたぞ。




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