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だってバカンスだもの(フランスの8月)

8月はトマトが旬。色とりどりのトマトが食卓に出ます。
ただ切って塩をかけるだけで、果汁たっぷりの美味しいサラダ!

さて、8月のフランスで心安く過ごすための心得、3か条をお伝えします。

1)8月は物事は進まないと心得るべし

8月のフランスは、カフェやレストランなど、休みのところが多い。

パン屋さんも、美味しいところほど真っ先に休みを取る。
バカンスだからお気に入りのパン屋さんを朝から楽しもうといそいそ行くと、戻りは1か月後だったりする。

8月は観光スポット以外、街に人が少なくなる時期でもある。

医者もノテール(公証人)も、公務員も、シャンパーニュの生産者も夏休み。
7月8月は、はじめからあきらめて過ごす方が、精神健康上よい。
ご用がある方はバカンス明けの9月に。

2)夏の高速道路は、ゆっくり走る車に気を付けるべし

夏の高速道路はいつもと違う。
のろのろ運転の車が増えるのだ。

原因は、おばあちゃんが数十年ぶりに高速を運転するから。

フランスの運転免許は生涯有効。一度取得したらそれっきり。更新制度はない。
夫婦連れだと、男の人が運転することが多く、特に上の世代の女性は近場以外運転しない(ベルギー人はカップルのうち女性が運転するケースが多い印象)。

なので、最近ご主人を亡くしたと想像される高齢の女性が、これも高齢のお友達を隣に乗せて、慣れない運転でえらくゆっくり高速を運転していたりする。「若いころは長距離も運転したものよ」と昔取ったきねづか感覚で運転されるのだ。頼もしい。でもゆっくり過ぎて怖い。

ゆっくり運転のおじいちゃんもいるし、移民っぽい人もいるが、おばあちゃんのゆっくり運転を見ると、ああ、バカンスだなあ思う。

3)夏は思い出づくりのためにあると心得るべし

バカンスは家族が集う。
子供がいる場合、妻側の家族や親せきと半分過ごし、それから夫側の家族親せきと半分過ごしたりもする。
両親が一緒にいても、離婚していても、子供は順番に両方の家族と過ごす。

日が短くなっていくとは言え、8月のフランスはまだ夜9時頃まで明るい。
子供たちも明るい夜の食卓につき、家族の思い出と社交性を身に着けるよい機会。

家族みんなで子供たちの面倒を見るし、子供たちも家族のだれとでも遊ぶ。

効率とか、向上とか、そんなものはない。
ただ、今生きていることを、親しい人といることを楽しむ。

バカンスは休むためのもの。
人生はバカンスのためにあるのだ。





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