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花と音楽にあふれる「フランスの6月」

フランスの6月は一年で最高に幸せな月。
まず日が長い。日が暮れるのは22時過ぎだ。

人々は仕事が終わってからでも、カフェのテラス席で長い時を過ごすことができる。17時頃はまだ日が高く、午後の初めごろの雰囲気だ。
「ジューン・ブライド」という言葉があるように、結婚式も多い。

街のあちらこちらで花が咲き誇り、「世界って素晴らしい!」と自然に思える。
世界は美しく、日はいつまでも長く、冬の憂鬱が嘘のようだ。

薔薇に囲まれる日々

この時期、街角や庭々に、薔薇を中心に色とりどりの花があふれる。
野原も花でいっぱいだ。

市や村などの行政単位で、街中に薔薇を植える。
この時期の美しさは格別だ。

もちろん個人でも庭の花を楽しむ。
別荘を持っている人たちは、都会を離れ別荘でゆったりとした時を謳歌する。田舎の地価は安いので、お金持ちでなくても小さな家なら別荘を持てる人は多い。

年に10日だけのブドウの花

シャンパーニュのブドウの花が咲くのも6月だ。
花が楽しめるのは、年に10日ほど。
ブドウの花は、パッと目には気が付かないほど小さく、控えめだ。

昔から開花の後100日で収穫と言われてきた。
ただ近年は温暖化の影響で90日ほどの間隔となっている。
花が咲いたあと、そこに実が育つ。

今年の収穫は9月10日頃かな?

6月は音楽がいっぱい

夏至の日は、全国的に音楽祭となる。
街のあちこちで、夜通し音楽が繰り広げられる。

今年のムーラン市の音楽祭は雨だったけれど、それでも人々は外に出てビールやワインを飲みながら音楽を楽しんでいた。

音楽祭当日は街のあちこちでたくさんの演目がある。
クラシック、ジャズ、ロック、ポップ…。

街のどこかには、自分の好きな音楽が流れている。

気軽に、日常に溶け込んで楽しむのが音楽の本来の姿なんだなあと、音楽を聴きながら犬の散歩をする。

この時期はテラス席を楽しむ人が多いので、音楽祭以外の日も野外で音楽が流れる場面が多い。

夏はまだこれから

6月の一番いいところは、これからまだまだ夏を楽しめるという気分ではないかと思う。
一番日が長いのはこの時期だけれど、本格的な夏はこれから。
楽しい夏休み本番は、この後に控えているのだ。

家族との時間、長いバカンス、海や山へで過ごす非日常への期待。

6月最終水曜日には夏のソルド(バーゲン)もはじまる。

こんなに楽しいひと月はなかなかない。
「世界は美しい。人生っていいなあ」と自然に思える一か月だ。

おまけ。ランスはジャンヌ・ダルク祭。

6月の最初の週末、ランス市では中世祭が繰り広げられる。
大聖堂とサンレミ聖堂の周りに中世の村が作られ、当時の暮らしや道具、音楽、踊り、剣術、服装、遊び、食べ物などなどが紹介される。

土曜の夜にはサンレミ聖堂から大聖堂まで、ジャンヌ・ダルクとシャルル7世、貴族、聖職者、騎士をはじめとした大仮装パレードが行われる。
パレードには大道芸や踊りなどもあり、何万という人が集まる。

6月にフランスにいらっしゃるなら特に、パリより地方がお薦めです。






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