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【シエルの注目映画作品】2021年8月公開

2021年8月公開予定の作品の中で気になるものを集めてみました。

『大地と白い雲』(8月21日公開予定)

2019年製作/111分/G/中国
原題:白雲之下 Chaogtu with Sarula
配給:ハーク
監督:ワン・ルイ
脚本:チェン・ピン
出演:ジリムトゥ、タナ、ゲリルナスン、イリチイリチ、チナリトゥ、ハスチチゲ

公式サイト:http://hark3.com/daichi/

変化を求める男とこのままでいたい女。
激変する時代の波が押し寄せる内モンゴルを舞台に描かれる、ある夫婦の物語。
(公式サイトより)

内モンゴルの、この圧倒的な草原を実際に目にしたら、きっと自分の中の何かが変わるんじゃないかと思う。いつか実際に見てみたいと思うけれど、それができない今、映画でもいいから見てみたい。
そんな草原の中で暮らす夫婦の間に生じる気持ちのすれ違いは、どんなドラマを経てどのように着地するのか興味を惹かれる。

“ワン監督が、自身の過去の痛みに向き合い、亡き妻に捧げた夫婦の愛の物語”であり、内モンゴル出身の作家・漠月(モー・ユエ)の小説「放羊的女人」を10年かけて映画化したとのこと。期待できるんじゃないでしょうか。

『モロッコ、彼女たちの朝』(8月13日公開予定)

2019年製作/101分/G/モロッコ・フランス・ベルギー合作
原題:Adam
配給:ロングライド
監督:マルヤム・トゥザニ
製作:ナビル・アユチ
脚本:マルヤム・トゥザニ
撮影:ビルジニー・スルデー
出演:ルブナ・アザバル、ニスリン・エラディ

公式サイト:https://longride.jp/morocco-asa/

臨月のお腹を抱えてカサブランカの路地をさまようサミア。イスラーム社会では未婚の母はタブー。美容師の仕事も住まいも失った。ある晩、路上で眠るサミアを家に招き入れたのは、小さなパン屋を営むアブラだった。アブラは夫の死後、幼い娘のワルダとの生活を守るために、心を閉ざして働き続けてきた。パン作りが得意でおしゃれ好きなサミアの登場は、孤独だった親子の生活に光をもたらす。商売は波に乗り、町中が祭りの興奮に包まれたある日、サミアに陣痛が始まった。生まれ来る子の幸せを願い、養子に出すと覚悟していた彼女だが……。
(公式サイトより)

シングルマザーのパン屋と未婚の妊婦のシスターフッドの物語のようです。
これは今の自分の関心事と合致していて、しかも舞台は行きたいと思いつつまだ言ったことのないモロッコ。観たいですねー。元気出そうです。

『ドライブ・マイ・カー』(8月20日公開予定)

2021年製作/179分/PG12/日本
配給:ビターズ・エンド
監督:濱口竜介
原作:村上春樹
脚本:濱口竜介、大江崇允
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、パク・ユリム、ジン・デヨン、
ソニア・ユアン、岡田将生

公式サイト:https://dmc.bitters.co.jp

人を愛する痛みと尊さ、信じることの難しさと強さ、生きることの苦しさと美しさ。最愛の妻を失った男が葛藤の果てに辿りつく先とは――。登場人物が再生へと向かう姿が観る者の魂を震わせる圧巻のラスト20分。誰しもの人生に寄り添う、新たなる傑作が誕生した。(公式サイトより)

村上春樹原作の映画というと、イ・チャンドン監督『バーニング 劇場版』(2018)が思い浮かびます。私は村上春樹はほとんど読んでいなくて、原作の『納屋を焼く』も映画を観て興味が湧いたために読んだのだけれど、これをああするなんて映画監督ってすごいな、と思った。

『ドライブ・マイ・カー』も当然のごとく読んでいないけれど、喪失と再生を描いているらしい映画はおもしろそうで、しかも約3時間という、長い映画好きの私には嬉しい長さ。観ておもしろかったら原作も読んでみようかなと思っています。

濱口竜介監督作品は観たいと思いつつ機会を逃してばかりで、『寝ても覚めても』(2018)しか観ていないのですが、これも小説原作ですね。柴崎友香の原作は、これはすごい小説なんですよね。さらっとすごいことをやっている。(さらっと書いているってことじゃなく)

きっと本作もチャレンジングな作品になっているんじゃないかと期待します。

『愛のように感じた』(8月14日公開予定)

2013年製作/82分/アメリカ
原題:It Felt Like Love
配給:イーニッド・フィルム
監督:エリザ・ヒットマン
製作:エリザ・ヒットマン、ローラ・ワグナー
脚本:エリザ・ヒットマン
出演:ジーナ・ピアルサンティ、ジオバーナ・サリメニ、ローネン・ルービンシュタイン、ジェシー・コルダスコ

参考サイト:https://eiga.com/movie/95309/ (予告動画あり)

こちらは新作ではなく、現在公開されている『17歳の瞳に映る世界』(2020)のエリザ・ヒットマン監督の長編デビュー作の特集上映です。

『17歳の瞳に映る世界』もそうでしたが、ノスタルジックな画質と色彩が、現代のアメリカっぽくなくて、女の子が持っている切なく暗い部分をうまく映しているように感じます。この作品も観たい。

『スザンヌ、16歳』(8月21日公開予定)

2020年製作/77分/PG12/フランス
原題:16 Printemps
配給:太秦
監督:スザンヌ・ランドン
製作:キャロリーヌ・ボンマルシャン
脚本:スザンヌ・ランドン
出演:スザンヌ・ランドン、アルノー・バロワ、フレデリック・ピエロ、フロランス・ビアラ

公式サイト:http://suzanne16.com

フランスの定番、思春期の少女と年の離れた男との恋の話、のようなので、うーんどうしよう、と迷うところなのですが…

15歳の時に書いた脚本を元に19歳の時に映画制作に着手した若き才能ということで、公式サイトでは“まったく新しいフランス映画”と謳われています。

ここはひとつその言葉を信じて、まったく新しいフランス映画を体験しましょうかね。(まだ迷い中)

『東京オリンピック2017 都営霞ケ丘アパート』(8月13日公開予定)

2020年製作/80分/日本
配給:アルミード
監督:青山真也
撮影:青山真也
編集:青山真也
整音:藤口諒太
音楽:大友良英

公式サイト:http://www.tokyo2017film.com/#home

オリンピック開催のために強制退去されられた都営霞ヶ丘アパートの住民の生活を4年間に渡って記録したドキュメンタリー。

二度の東京オリンピックのため、二度も立ち退きをさせられている人がいるという事実を東京都民はみな知る必要があると思うし、オリンピック開催に関わる人すべて、競技を見て楽しむ人すべても知った方がいいと思います。

『リル・バック ストリートから世界へ』(8月20日公開予定)

2019年製作/85分/G/フランス・アメリカ合作
原題:Lil' Buck: Real Swan
配給:ムヴィオラ
監督:ルイ・ウォレカン
製作:バプティスト・ルロワ、ビクトル・レック、フランソワ=シャルル・ルゴフ
撮影:マチュー・ドゥ・モングラン
編集:バジル・ベルヒリ
音楽:アルトゥール・B・ジレ
出演:リル・バック

公式サイト:http://moviola.jp/LILBUCK/

メンフィス・ジューキンというダンスも、リル・バックというダンサーも知りませんでした。ジューキンとクラシックバレエを合わせた表現はぜひ観てみたい。

そもそもダンスに関心があるので、ダンサーのドキュメンタリーはできる限り観たいと思っています。

『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』(8月27日公開予定)

2021年製作/118分/アメリカ
原題:Summer of Soul (...Or, When the Revolution Could Not Be Televised)
配給:ディズニー
監督:アミール・“クエストラブ”・トンプソン
製作:ジョゼフ・パテル、ロバート・フィボレント、デビッド・ディナースタイン
出演:スティービー・ワンダー、B・B・キング、ザ・フィフス・ディメンション、ステイプル・シンガーズ

公式サイト:https://searchlightpictures.jp/movie/summerofsoul.html

音楽が好きなので、音楽やミュージシャンのドキュメンタリーはできる限り観るようにしています。ことにソウルは好きなので間違いなく観るでしょう。

『The Public Image Is Rotten ザ・パブリック・イメージ・イズ・ロットン』(8月14日公開予定)

2017年製作/105分/アメリカ
原題:The Public Image is Rotten
配給:キュリオスコープ
監督:タバート・フィーラー
音楽監修:ダン・ウィルコックス
出演:ジョン・ライドン、ジャー・ウォブル、キース・レビン、ジム・ウォーカー、マーティン・アトキンス、サム・ウラノ他

公式サイト:http://www.curiouscope.jp/PiLdocumentary/

セックス・ピストルズを知った時にはすでに解散していた。PILはファンというわけでもないのに来日公演を観に行ったような気もするけど夢かもしれない(笑)。遠い話で忘れてしまった。

パンクスだったので(笑)、ジョニー・ロットンのその後は観ておこうかなと思います。というか、音楽ドキュメンタリーなので、そうでなくてもできるだけ観るリストには入るのですが、変な言い方だけど義務的な興味しかない。パンクのレジェンドだけど、特に好きでもないんですね多分。

・ ・ ・ 

今月は目を引く作品は少ないなと思っていたのに、9本にもなってしまいました。

音楽ドキュメンタリーは、音楽やミュージシャンが好きということもあるのですが、いつの間にやら自分に課している義務のようなものになりつつあり、出来る限り観ています。なのでこのジャンルに限っては、ここに上げていても、必ずしも人に勧めたい作品というわけではありません。
中には、これ別に映画でなくてもいいじゃん、っていうような作品も結構あるんですよね。そういうところから、自分が映画に何を求めているかというのがわかってくるのかもしれないなと思ったりしてます。

先月も、注目作品の記事には載せなかった『プロミシング・ヤング・ウーマン』『17歳の瞳に映る世界』がよかったので、今月も見落としがあるかもしれません。
なかなか全部を把握するのは難しいですね。

それではみなさま、よい映画鑑賞を。


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