”ファシリテーション” は 陰キャの生存戦略である
問い:陰キャは、組織の中でどうすれば生き残れるのか?
答え:ファシリテーターになろう。
ということについて書いてみます。
1.そもそも陰キャってどんな人?
こちらの記事によると、
というのが特徴とのこと。
これを踏まえると、私は陰キャだな。。。
2.ファシリテーターってどんな人?
こちらはWikipediaにありました。キラキラしているイメージ。
陰キャがなるのは無理なのでは?と思えちゃいます。
確かに、キラキラしているファシリテーターになるのは難しいかも。
私がこれまでに会ったキラキラしているファシリテーターはおしゃれ。
タートルネックにジャケット着てるイメージ。
そんな風になれたらいいけど、自分には無理だな。。。
3.なぜ陰キャはファシリテーターに向いているのか?
ここからが本題。本当に向いているのか?
冒頭の陰キャの3つの特徴を踏まえて述べます。
①一人でいるのが好き
そもそもなぜ一人でいるのが好きなのか?
それは、大勢で話している中ではなかなか気軽に発言できないから。
いつ発言すればいいかのタイミングがつかめない。
だから大勢でいるときは聞いていることが多い。
②うまく会話ができない
突然話しかけられるたときに、返事に時間がかかってしまうなど、素早く応じることが苦手です。
だから、答えるために考える必要があります。
③表情がわかりにくい
感情があまり顔に出ません。
だから、自分の感情が伝わらないです。
①一人でいるのが好き → 聞いている
②うまく会話ができない → 答えるために考える
③表情がわかりにくい → 感情が伝わらない
これって、ファシリテーターにとって、重要なことです。
ファシリテーターとは、
(A)中立の立場で、(B)場の意見を聞いて、(C)整理する、
という振る舞いで、議論の方向をガイドするもの。
①一人でいるのが好き → 聞いている →(B)
②うまく会話ができない → 答えるために考える →(C)
③表情がわかりにくい → 感情が伝わらない →(A)
という関係があるので、ファシリテーターになれる素養があるのです。
4.どうやってファシリテーターになるのか?
そうは言っても、すぐになるのは難しいと考えてしまうでしょう。
確かに、すぐになるのは難しいです。
では何から始めるといいか?
まず、陰キャは、面倒な仕事を押し付けられがちです。
その中で、注目すべきは板書・議事録の作成です。
会議の中で、板書をとったり、議事録を作成することは、雑用と見なされがちです。だから、下っ端や陰キャに押し付けられがちな仕事です。板書・議事録の作成では、場の議論を整理してわかりやすく記載する必要があります。そのため、この仕事で、ファシリテーターの基礎が磨かれます。
しかし、ファシリテーターになるには、整理した内容を伝えて、議論に介入する必要があります。
これが、陰キャには難しい。
でも、介入するタイミングは必ずあります。
それを可能にするのが、不安を感じる力です。
そもそも、陰キャという言葉は、ネガティブな意味で使われることが多いです。本当は陽キャになりたいけどなれない、という人もいると思います。
陽キャのように、どんどん人の中に入っていきたい。皆の中心にいたい。
でも、うまくいくか不安。。
失敗するかもしれない。。
嫌われるかもしれない。。
このように不安を感じるのは、他者の感情に敏感だからです。
これって、場の感情を捉えられるということ。
場が不安になったタイミング、それこそが介入のチャンス。
つまり
①面倒な板書・議事録を担当する
②話を聞いて整理する
③場の感情を捉えて介入する
という流れ。
もちろん、③を実行するのは勇気が必要です
これが自然とできるのがファシリテーター。
でも勇気が持てずに介入を躊躇するのが陰キャ。
では、陰キャのファシリテーターはどうすればいいか?
5.陰キャのファシリテーターの技
そこで一つのスキルを覚えましょう。
それは2軸思考です。
私は2軸思考の一つであるペイオフマトリクスを、ワークショップでよく用います(活用例は下記を参考にしてください。)
このような考え方は、ファシリテーションでもとても重要です。
なぜ2軸か?
議論が円滑に進まない場合、多様な判断基準が原因となる事が多いです。
例えば、開発においては、コストと機能のどちらを優先するか、など、私たちは日々、多様な判断基準を鑑みて意思決定を行っています。
しかし、そのことに気づいていないことが多いです。
たとえば、目の前に牛乳とオレンジジュースがあるとします。どちらか1つだけを飲んでもいい場合、どちらを選ぶか?
この場合は、単に、今、飲みたいものを選ぶだけだと思います。
しかし、どちらか一つを朝食に、残りを昼食に飲む場合、朝食にどちらを選ぶか?となると、もう少しいろいろ考えなければいけません。
このようにシンプルな問いに対しても、人はいろいろな判断基準を鑑みて、意思決定をしています。
大事なのは、判断基準が何かを明確にすること。
例えば、どちらを朝食に飲むかを迷うケースとして、以下の2ケースを考えます。
なぜ判断に迷うのか?
例えば、昼食のメニューを気にして迷うならば、昼食のメニューがわかれば考えやすくなります。一方、健康を気にして迷うならば、どちらがより健康かという情報があれば考えやすくなります。
このように、判断基準を明確にすることで、どのような情報が不足しているかが明確になり、考えやすくなります。
同様なことは、議論でもよく生じます。水掛け論になっている場合は、多くがこのケース。
このように、場の考えを図示し、議論を整理する。
これならば、発言の前に図を書いて、皆に示すだけ。
示すときに勇気は必要ですが、議論がまとまらない時ほど、このような図での表現は効果的です。
こうやって、議論を整理できることが、場に伝わればこっちのもの。
以降は、議論を整理できるファシリテーターとして話を聞いてもらえます。
ずっと黙っていたのに、鋭いことを一言述べ、皆に一目置かれる。
そんな存在ってかっこいいと思いませんか?
6.陽キャになれるわけではないけれど
陰キャでもファシリテーターになれる可能性を今回は記載しました。もちろん、ファシリテーターとして認知されたからといって、陽キャになれるわけではありません。
実際、私も口下手で、会話に入るのは苦手です。
でも、ファシリテーターとして認知されてから、ちょっとだけ組織の中で生きやすくなったように感じます。
口下手で、会話に入れない。だから聞いてばかり。
だからこと、議論を整理する時間がつくれる。
これは、陰キャの生存戦略の一つかも!?
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