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”ファシリテーション” は 陰キャの生存戦略である

問い:陰キャは、組織の中でどうすれば生き残れるのか?

答え:ファシリテーターになろう。

ということについて書いてみます。

1.そもそも陰キャってどんな人?

こちらの記事によると、

①一人でいるのが好き
②うまく会話ができない
③表情がわかりにくい

https://domani.shogakukan.co.jp/780426

というのが特徴とのこと。

これを踏まえると、私は陰キャだな。。。

2.ファシリテーターってどんな人?

こちらはWikipediaにありました。キラキラしているイメージ。
陰キャがなるのは無理なのでは?と思えちゃいます。

確かに、キラキラしているファシリテーターになるのは難しいかも。

私がこれまでに会ったキラキラしているファシリテーターはおしゃれ。
タートルネックにジャケット着てるイメージ。

そんな風になれたらいいけど、自分には無理だな。。。

3.なぜ陰キャはファシリテーターに向いているのか?

ここからが本題。本当に向いているのか?

冒頭の陰キャの3つの特徴を踏まえて述べます。

①一人でいるのが好き

そもそもなぜ一人でいるのが好きなのか?
それは、大勢で話している中ではなかなか気軽に発言できないから。
いつ発言すればいいかのタイミングがつかめない。
だから大勢でいるときは聞いていることが多い。

②うまく会話ができない

突然話しかけられるたときに、返事に時間がかかってしまうなど、素早く応じることが苦手です。
だから、答えるために考える必要があります。

③表情がわかりにくい

感情があまり顔に出ません。
だから、自分の感情が伝わらないです。

①一人でいるのが好き  → 聞いている
②うまく会話ができない → 答えるために考える
③表情がわかりにくい  → 感情が伝わらない

これって、ファシリテーターにとって、重要なことです。

ファシリテーターとは、
 (A)中立の立場で、(B)場の意見を聞いて、(C)整理する、
という振る舞いで、議論の方向をガイドするもの。

①一人でいるのが好き  → 聞いている     →(B)
②うまく会話ができない → 答えるために考える →(C)
③表情がわかりにくい  → 感情が伝わらない  →(A)

という関係があるので、ファシリテーターになれる素養があるのです。

4.どうやってファシリテーターになるのか?

そうは言っても、すぐになるのは難しいと考えてしまうでしょう。
確かに、すぐになるのは難しいです。

では何から始めるといいか?

まず、陰キャは、面倒な仕事を押し付けられがちです。

その中で、注目すべきは板書・議事録の作成です。

会議の中で、板書をとったり、議事録を作成することは、雑用と見なされがちです。だから、下っ端や陰キャに押し付けられがちな仕事です。板書・議事録の作成では、場の議論を整理してわかりやすく記載する必要があります。そのため、この仕事で、ファシリテーターの基礎が磨かれます。

しかし、ファシリテーターになるには、整理した内容を伝えて、議論に介入する必要があります。

これが、陰キャには難しい。

でも、介入するタイミングは必ずあります。

それを可能にするのが、不安を感じる力です。

そもそも、陰キャという言葉は、ネガティブな意味で使われることが多いです。本当は陽キャになりたいけどなれない、という人もいると思います。

陽キャのように、どんどん人の中に入っていきたい。皆の中心にいたい。

 でも、うまくいくか不安。。
 失敗するかもしれない。。
 嫌われるかもしれない。。

このように不安を感じるのは、他者の感情に敏感だからです。

これって、場の感情を捉えられるということ。
場が不安になったタイミング、それこそが介入のチャンス。

つまり
 ①面倒な板書・議事録を担当する
 ②話を聞いて整理する
 ③場の感情を捉えて介入する
という流れ。

もちろん、③を実行するのは勇気が必要です
これが自然とできるのがファシリテーター。
でも勇気が持てずに介入を躊躇するのが陰キャ。

では、陰キャのファシリテーターはどうすればいいか?

5.陰キャのファシリテーターの技

そこで一つのスキルを覚えましょう。
それは2軸思考です。

私は2軸思考の一つであるペイオフマトリクスを、ワークショップでよく用います(活用例は下記を参考にしてください。)
このような考え方は、ファシリテーションでもとても重要です。

なぜ2軸か?

議論が円滑に進まない場合、多様な判断基準が原因となる事が多いです。

例えば、開発においては、コストと機能のどちらを優先するか、など、私たちは日々、多様な判断基準を鑑みて意思決定を行っています。

しかし、そのことに気づいていないことが多いです。

たとえば、目の前に牛乳とオレンジジュースがあるとします。どちらか1つだけを飲んでもいい場合、どちらを選ぶか?

この場合は、単に、今、飲みたいものを選ぶだけだと思います。

しかし、どちらか一つを朝食に、残りを昼食に飲む場合、朝食にどちらを選ぶか?となると、もう少しいろいろ考えなければいけません。

このようにシンプルな問いに対しても、人はいろいろな判断基準を鑑みて、意思決定をしています。

大事なのは、判断基準が何かを明確にすること。

例えば、どちらを朝食に飲むかを迷うケースとして、以下の2ケースを考えます。

昼食のメニューを気にして迷う
健康を気にして迷う

なぜ判断に迷うのか?

例えば、昼食のメニューを気にして迷うならば、昼食のメニューがわかれば考えやすくなります。一方、健康を気にして迷うならば、どちらがより健康かという情報があれば考えやすくなります。

このように、判断基準を明確にすることで、どのような情報が不足しているかが明確になり、考えやすくなります。

同様なことは、議論でもよく生じます。水掛け論になっている場合は、多くがこのケース。

このように、場の考えを図示し、議論を整理する。

これならば、発言の前に図を書いて、皆に示すだけ。

示すときに勇気は必要ですが、議論がまとまらない時ほど、このような図での表現は効果的です。

こうやって、議論を整理できることが、場に伝わればこっちのもの。

以降は、議論を整理できるファシリテーターとして話を聞いてもらえます。

ずっと黙っていたのに、鋭いことを一言述べ、皆に一目置かれる。
そんな存在ってかっこいいと思いませんか?

6.陽キャになれるわけではないけれど

陰キャでもファシリテーターになれる可能性を今回は記載しました。もちろん、ファシリテーターとして認知されたからといって、陽キャになれるわけではありません。

実際、私も口下手で、会話に入るのは苦手です。

でも、ファシリテーターとして認知されてから、ちょっとだけ組織の中で生きやすくなったように感じます。

口下手で、会話に入れない。だから聞いてばかり。

だからこと、議論を整理する時間がつくれる。

これは、陰キャの生存戦略の一つかも!?

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