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なれの果てから抜け出すファシリテーション

ファシリテーションは、なぜ必要なのでしょうか?
下記に、ワークショップあるあるを書きました。


こうならないために、ファシリテーションが必要と考えます。

◼️そもそも何を目指すのか?

アイデアを出し合い、成果を出す。成果に繋がるアイデアを出す。アイデアをアイデアで終わらせないためには?
良い成果は、参加者にとって自分事になっている必要があります。自分事となるためには、参加者のやりたいこと(will)、やらなければならないこと( must)、やれること( can)の重なる点を見つけることが重要です。

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しかし、楽しいだけのワークショップでは、必ずしも交点が見つかるとも限りません。その結果が下記のようになります。

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ファシリテーションをしていると、こういうシーンに出くわします。
そんなときこそファシリテーターによる介入が必要です。

◼️意図を持って介入する

私の経験では、willとcanを広げるための介入が必要なことが多いです。
下図に示すように、本当にやりたいことを掘り下げることと、出来ることの範囲を広げて考えることが重要です。
mustについては、目的を理解して皆さん参加しているので、そこまでずれたことはないですね。
(俺はこんなことよりこっちをやりたい、と言い出す人がいたことはありましたが。)

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その場ですぐに広げられればもちろんいいのですが、簡単ではないことが多いです。そんな時は、一旦その場では受け止めて、改めてワークショップを開きます。

◼️次に繋げるために

その時、参加者が満足して帰ってしまうと次に繋がりません。次に繋げるためには、参加者がどこにモヤモヤを感じているかを察知し、そこを問いかけます。(下図)

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willを広げるのは、忖度系のアイデアに対するときです。こときは、私は「本当にやりたいこと」を問いかけます。
なぜそう思ったのか?
・そう思ったきっかけは?
・あなた自信のエピソードは?

といった内容を問いかけることが多いです。

canを広げるのは、AI系と世界平和系のアイデアに対するときです。どちらのケースもアイデアに具体性がないため、下記のように問いかけて具体的に考えてもらいます。
●●の部分はどうやって実現しますか?
・不明点はどなたに聞きますか?
・本当に出来ますか?

この内、三つ目の問いかけは勇気がいります。ですが、こういう厳しい問いかけをしないと、真剣に考えない人、且つ、場を仕切る人がいると、アウトプットが陳腐なものになります。

これらの問いかけをして、答えが得られればもちろんいいのですが、多くの場合は明確な答えが得られません。「答えが出せない」という状態を嫌う方は沢山いるのですが、この状態が大事です。これは、言い換えれば、新たな課題が見つかった状態です。課題の質が高まったとも言えます。この状態が次に繋げる第一歩となります。

ワークショップの主役は参加者です。ですが、アウトプットを目的としたワークショップでは、お客として楽しんでもらうだけでは不十分です。楽しいだけのワークショップで終わらせないためには、楽しくポジティブに、でも、意図を持った介入も必要です。

※この記事の表紙画像はRRiceさんによる写真ACからの写真を使用しています。

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