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デザインの捉え方で、世界の見え方が変わる

私は、普段より『ビジネス』と『お客様』をより良くつなぐ、デザイナーとして、企業や商品サービスのブランディングを行っている、シカタ株式会社 代表取締役の北本と申します。今行わせていただいている、ブランディングという仕事は心から楽しいと思えるし、今この世の中に必要であり、私たちのプロフェッショナルなブランディングを求めてくれる方々がいることを日々実感できています。そんな私が、ここにたどり着くまで、様々な葛藤や、紆余曲折がありましたので、一度振り返ってみようと思います。

20年前、グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートした私は、会社員として、エンターテインメントの宣伝美術、広告代理店での企業広告、経営者と直接対峙する企業ブランディングといった、ありとあらゆるデザインを行っていました。今で言う壮絶なブラック仕事で、日々肉体的にも精神的にも極限まで苦しい状態でしたが、なぜか胸の奥底だけはワクワクしていて、たくさんの高揚感あふれるデザインさせてもらえていました。今思い返すと何者にも代え難い経験です。

当時、デザイナーでありながら、いつも『デザインで解決できることは何だ?』『デザインでなくても解決できることはないか?』と問いかけてきたからか、キャリア10年目を過ぎたあたりから、デザインで解決できることなんて、たかが知れているなと思うことが多かったように思います。また、私がいるところはここではない!と思うようにもなり、出来ることであればデザイン業界から離れようともしていました。

そんな中、2011年3月11日に東日本大震災が起こりました。デザインで誰も助けることの出来ない無力さを感じる毎日でした。長期にわたる緊急事態の中で、デザインというものは、1番に必要のないもの。もちろん、2番でも、3番でもありません。もしろなくて良いもののように感じられ、これは私の人生をも否定されたことと同じでした。

それからもデザインする日々が続きました。当時の自分からすれば、それはもう、苦痛で仕方がない。この状況から抜け出したい、デザインのないところへ行きたいと、ひたすらビジネスアイデアを考え続ける毎日でした。

自分の持つポリシーに従い、ひたすらデザインから離れる方法を考え続けていたある日、ふと思ったのです。

“私が誰かを幸せに出来るのは、
デザインだけだ”

その時、目の前がとてもクリアになったことを覚えています。『デザイン』も捉え方次第では、人生全てがデザインではないか、と思えたことが大きかった。生きることもデザイン、ご飯を食べることも、会話をすることもデザインです。私がずっと悩んでいたのは、自分自身を狭義のデザインの中に閉じ込めていたからだと初めて気づいたのです。『世界』という言葉でさえ、人それぞれ感じ方が違う。興味を持ったり、経験したこと以外を世界として認識できないものだなと、改めて感じました。私が探していたものは、隣にあるものでも、遠くに行けば手に入るものでもありませんでした。目の前にあるものを正しく見ることで希望あふれる世界が待っていたんです。

グラフィックデザインやウェブデザイン、プロダクトデザインなど目に見えるデザインを行うのは、一番最後。私が今全力を注いで行っているデザイン。それは、関わらせていただく企業の、『なぜ事業を行うのか?』という軸をしっかりと整えて、お客様に届きやすくすること。これこそが今、どんな業界のどんな中小零細企業であっても、一番最初に必要なことだと考えます。

“ブランドは作るものではない。
ブランドはなっていくもの” 

会社が商品やサービスをむやみやたらに提供しても、お客様からの応援や期待がなければ、ただの独りよがり。皆に認められ、必要な存在になっていくためには、企業としての軸をしっかり保ち、そこに共感してもらえるファンからの支持を集めて応援してもらうことこそが、これからの時代にとても重要になってくるのではないかと思っています。

ブランディングデザインファーム
シカタ株式会社