見出し画像

ロミオとジュリエット@刈谷市総合文化センター観劇記

久しぶりに劇団四季以外のミュージカルを見てきた。

スタッフ、出演者はこちら↓

調べてみたらオリジナルはフランス発のミュージカルらしい。楽曲と台本はある程度そのままに日本版の味付けにして上演しているようで完璧なレプリカ版というわけでもない。
演出は宝塚でお馴染みの小池修一郎氏。スタッフにもヅカ関係の方のお名前が並んでいる。

会場は愛知県刈谷市の刈谷市総合文化センターアイリスホール。
会場リンクはこちら↓
https://kariya.hall-info.jp/info/

このホールは演劇を見るにはちょうどいいサイズの会場だと思う。1階席後方最上手席だったが役者が豆粒ということもなく、全体が見られて良かった。しかしこの席でご贔屓の表情が見たければオペラグラスは必携だと思う。
カーテンコールでジュリエット役の吉柳咲良さんが言ってらしたが音がわりと反響するそうだ。
壁際の私は気にならなかったが、2階前方センブロ席に座った友人は高音の響きがよく聞こえて低音はそこまで広がってこなかったそうなので、センターブロックや2階席を取られる際はその辺りを気に留めておくといいと思う。

舞台については、まず楽曲がいい。ロミオとジュリエットという作品の世界観、シェイクスピア作品の雰囲気に寄り添った音作りになっていると思う。一幕目は躍動的な曲が多く、2幕目は一幕目で押し流された物語をそのままラストまで綺麗に見せてくれるような構成になっていた。
Aimerがロミジュリの曲だとは知らなかったので急に知ってる曲を歌い出してびっくりした。あの曲はいい。恋愛のロマンティックが詰め込まれていると思う。劇中、折りにつけ旋律が繰り返されるのもいい。
世界観としてはロミジュリを下敷きに作られたウェストサイドストーリーっぽさをエッセンス程度混ぜたロミオとジュリエット、という感じだと思う。現代っぽくしたけど結局はロミオとジュリエットだね、という感じだ。

演者さんについては皆それぞれプロを集めたというのが見た目にもパフォーマンスにもよく分かる。それぞれの個性がよく際立っていた。

主要キャストだけ、少しだけ所感を。

ロミオ役の岡宮来夢さんは気弱だけど優しくて真面目なロミオ像を上手く演じていたと思う。歌い上げる曲の声の広がり方がいい。どちらかというと芝居よりパフォーマー寄りの見せ方が上手い方かな、と思う。
台本にト書きがどこまであるか知らないが演じるのが難しいロミオだったと思う。しかしよく行間を埋める芝居がされていたように見えた。

ジュリエットの吉柳咲良さんはとても台詞が聞き取りやすい声と話し方でびっくりした。
芝居の身振り手振りよりも声の抑揚で感情を表しているのがとても上手い。ええとこのお嬢様であるジュリエット感が出ている。
そして打つべき場所ではバンバン芝居を打ってくれるので作品の勘所が分かりやすくて見やすい演者さんだった。

ベンヴォーリオの石川凌雅さんは全編に渡ってすごくちょうど良い芝居をするので思わず見入ってしまった。元々動かしやすいキャラだというのもあると思うがそれにしても周りとの芝居のやり取り、視線誘導が上手い。自分だけじゃなくて周りをうまく見せられる、ストーリーを上手く終わりまで引っ張っていけるいい演者さんだなぁと思った。あと体力ありそう。

マーキューシオの伊藤あさひさんはもうとにかくビジュがいい。ビジュの神が1週間かけて煮込んで完成させたマーキューシオだと思う。何その喩え。
この演出のマーキューシオはロミオの親友としてよりティボルトの対として立ち上がっているキャラに見える。なのでキャラを掴み、台詞を回すのが本当に難しい役だったと思うので千秋楽が終わったら美味しいもの食べて自分にご褒美をあげてほしい。感想が労いってそんなことある?

ティボルトの水田航生さんはもうとにかくビジュがいい。さっきも言ったぞこれ。
しかしティボルトはビジュなんていくら良くても良すぎるということはないキャラなのでもう立ち姿から大正解である。男前で繊細なティボルトがよく演じられていたと思う。なんというか、声も動きもティボルトにピッタリだった。

色々書いたが、今回は乳母役の滝沢由佳さん目当ての観劇だったのでフォーカスして見ていたのは乳母である。
キャッツで、ソンダンで、コンタクトで素敵なダンスを見せてくれた滝沢さんがチャーミングで表現力のある歌声で舞台に立っているのが見られて嬉しかった。

ちなみに今回の観劇で一番心に残った一言は、一緒に行った友人がキャスボを探す私に言った「キャストは固定だからキャスボはないと思うよ」であった。

サポートをくださる方、ありがとうございます!いただいたサポートを貯めて観劇してきます!