高矢 色

古の四季箱推し民による書きもの。ありのままで生きているので愛した日々に悔いはない。 あ…

高矢 色

古の四季箱推し民による書きもの。ありのままで生きているので愛した日々に悔いはない。 あわよくば感想文書いて百万円貰ったり好きなことして生きていきたい強欲な生き物。  Bluesky→@cicacica.bsky.social

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  • オペラ座の怪人についての話まとめ

    オペラ座の怪人についてのnote。劇団四季のミュージカルを主とした考察とも妄想とも言えないというか妄想と言いがかりに近い記事。

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プロのモブ観客でありたいという話

プロのモブ観客でありたい。 私の定義するプロのモブ観客とは、舞台の上の演者さん、裏方さん、スタッフさん、周りのお客さんにめちゃ感じよく映り、セットの一部になることである。大丈夫?伝わってる? こう思うのには昔の実体験が関係している。 まだ学生だった頃。 とあるソロアーティストのことが大好きで、行ける限りライブを見に行っていた。 だいたい小さなライブハウスで基本的に自由席だったので私は後ろの方のテーブル席でその人が幸せそうにピアノを弾きながら歌うのを毎回楽しく見ていた。

    • ジョン万次郎の配信を見た話

      劇団四季のファミリーミュージカル『ジョン万次郎の夢』を配信で観劇した。 ジョン万次郎も初めてなら配信でミュージカルを見るのも初めてである。何度か配信観劇の機会はあったが油断しているうちに購入期限が過ぎて出来ずじまいに終わっている。柿澤ハムレットの配信も買いそびれた。油断禁物、思い立ったら吉日なのだ。 『ジョン万次郎の夢』期間限定 オンデマンド配信|劇団四季 https://www.shiki.jp/navi/news/renewinfo/035976.html ↑10月ま

      • ラヴ・レターズを読んだ話

        毎年PARCO劇場で上演されている朗読劇『ラヴ・レターズ』の本を入手した。30年くらいずっと欲しいと思い続けてようやくである。嬉しい。私がグリンダなら♫これほどの幸せは他にはないわぁー!と声高らかに歌うところだ。 私のようにずっと欲しいと思い続けてきた方がいたら、今なら公式サイトから本が買えるので是非ご購入いただきたい。 とか言いながら私が購入したのは1991年上演版の古本である。どうせ手元に置くなら見たいと憧れていた頃に発売された本が欲しかったのだ。いつでも憧れが最初の道

        • ヘロデがサロメにもJCSにもいるという話

          戯曲『サロメ』を読んでから「お前の口に口づけしたよ」とサロメがしつこく何度も言っているシーンがクセになっている昨今、皆様におかれましては健やかにお過ごしのことと存じる。いや、健やかではないかもしれない。毎日暑すぎるもん。 さてその『サロメ』であるが、新約聖書が下地になっているそうだ。 新約聖書といえば『JCS』こと『ジーザス・クライスト=スーパースター』も同じく新約聖書を下地とした作品である。 ということは同じだったり関連があったりするキャラがいるのかな?と思い調べてみた。

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        プロのモブ観客でありたいという話

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        • オペラ座の怪人についての話まとめ
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          続・クリスティーヌの指輪の話

          少し前にオペラ座の怪人に出てくるクリスティーヌの指輪の話を書いた。ラウルのプロポーズ発、クリスティーヌのネックレス経由、ファントムの掌着のあの指輪である。 私は当たり前のようにドンファンのラスト、ファントムからクリスティーヌにはめられた指輪は、ラウルがプロポーズに渡した指輪だと思っていたのだが、どうやら公式で決められた解釈はないらしく、演者に任されているとのこと。某兄弟対決ファントムがオペラ座映画イベントで言っていたそうだ。 マジか。 じゃあ作中に指輪は2つ出てきている可

          続・クリスティーヌの指輪の話

          メグ・ジリーとマダム・ジリーの話

          4K映画のオペラ座の怪人が盛り上がっていて何よりである。 私も見たくて戯れに休みを取ったがその日の上演時間が全然スケジュールに合わなくてぐんにゃり萎れている最中である。 ところで冒頭のオークションのシーンでラウルのそばにいるのがマダム・ジリーだという話を耳にして驚いている。 あれ、記憶違いじゃなければメグだったはずなのだけど、と思い、昔のあれこれを引っ張り出して確認したところ、やはり冒頭のオークションにいたのはラウルとメグであった。 映画版ではマダム・ジリーの役者さんがそ

          メグ・ジリーとマダム・ジリーの話

          ロミオとジュリエット@刈谷市総合文化センター観劇記

          久しぶりに劇団四季以外のミュージカルを見てきた。 スタッフ、出演者はこちら↓ 調べてみたらオリジナルはフランス発のミュージカルらしい。楽曲と台本はある程度そのままに日本版の味付けにして上演しているようで完璧なレプリカ版というわけでもない。 演出は宝塚でお馴染みの小池修一郎氏。スタッフにもヅカ関係の方のお名前が並んでいる。 会場は愛知県刈谷市の刈谷市総合文化センターアイリスホール。 会場リンクはこちら↓ https://kariya.hall-info.jp/info/

          ロミオとジュリエット@刈谷市総合文化センター観劇記

          サロメはファム・ファタールなのかという話

          サロメが面白い。 先日読んでからずっと反芻している。 何が面白いって、挿絵のエロドの顔が面白い。 サロメのことを見つめているところが描かれているのだと思うが白目である。この目といい口といい、非常に趣があって好きだ。ビアズレー、琴線に触れまくりである。 ところでサロメはファム・ファタールの代表格としてその名を聞くが、私はいまいちファム・ファタールという概念が腑に落ちてないのでホントにそうなのかなんだかよく分からない。 調べてみれば「男性にとって運命の女」というのが元々の意

          サロメはファム・ファタールなのかという話

          サロメまじサロメ、という話

          オスカー•ワイルドのサロメを読んだ。 サロメといえば「ファム•ファタールを語る際に引き合いに出されるから名前だけは知ってるキャラ世界ランキング第1位」だと思うのだが、ご多分に漏れず私もそうだったので本を見つけて「そういえば読んだことなかったな」と思い購入した。 あの有名なビアズリーの挿絵も収録されている。サロメといえばビアズリーである。雰囲気モリモリである。 サロメで知っていることといえば美女でダンスを踊ってその報酬に誰かの首をもらってキスをした、という起承転結が全く繋が

          サロメまじサロメ、という話

          ロマネスクのロマネスクじゃない部分が太宰な話

          太宰治の短編集を買った。『駆け込み訴え』が収録されていたからつられて購入した。 あとがきを井伏鱒二が書いており、「『ロマネスク』が力作だ」と言われてしまったので早速読んでみる。短いし、話がぐいぐいくる面白さなのでどんどん読ませる。 「よくこの話に『ロマネスク』ってタイトルつけたな」と「これは間違いなく『ロマネスク』ってタイトルだわ」と両方の気持ちに揺らぎながら読み終えた。 短編なのに3人の登場人物『仙術太郎』『喧嘩次郎兵衛』『うその三郎』の半生を書いた三つの章があり、ひ

          ロマネスクのロマネスクじゃない部分が太宰な話

          十二夜はトレンディロイヤル、という話

          シェイクスピアの十二夜を読んだ。 今までシェイクスピアは福田恒存氏の翻訳しか読んだことがなかったのだが、今回初めて小津次郎氏の訳で読んだ。 全然違和感がない。誰が訳してもシェイクスピアはシェイクスピアなのだろうか。それはもう戯曲として完璧な気がする。 シェイクスピアの喜劇はヴェニスの商人しか読んだことがなかったので、こんなドタバタラブコメディみたいな喜劇も書けるのかと驚いた。 どのような話かといえば、兄を海の事故で亡くした双子の妹が心を寄せる公爵様になんとか近づこうと男の

          十二夜はトレンディロイヤル、という話

          クリスティーヌの心問題の話

          オペラ座の怪人が盛り上がっている。 劇団四季の再演(というほど間が空いたわけではないが)もあるし映画も4Kリマスタリングという近代技術でどうにかされて再上映されるそうだ。すごいねー、という絶対分かってない反応しかできない。 さて、劇団四季四季のオペラ座の怪人といえばクライマックスでクリスティーヌがファントムにキスをするシーンで「今見せてあげる、私の心」と歌っていた頃と「今見せてあげる、女の心」と歌っていた頃があり、これが長年物議を醸している、と言ったら過言ではあるが、某きの

          クリスティーヌの心問題の話

          桜の園がようやくちゃんと読めた話

          チェーホフの『桜の園』を読んだ。 2回目である。 前に読んだ時は名前が全く覚えられなくて主人公の兄が氷砂糖だかを舐めていたことしか覚えていなかったのだが、今回はちゃんと内容まで理解して読めたので良かった。 やはり翻訳ものは合う合わないがあるなぁとつくづく思う。 今回は翻訳に加えて注釈が同じページの左端に書いてあったので非常に読みやすかった。 それでも名前は覚えられないのでページを反復横跳びしながらの読了ではあったけれど。 ところでこの『桜の園』を題材に太宰治は『斜陽』を

          桜の園がようやくちゃんと読めた話

          マクベス自主性持って?という話

          戯曲『マクベス』を読んだ。またシェイクスピアである。 なんだかんだでやはりシェイクスピアは読みやすい。ベラベラ喋るから思わず音読したくなる。節回しの面白さがある。福田恒存氏の翻訳が私に合っているというのもあるのだろうなと思う。 開幕から魔女が三人も出てくるので「ファンタジーっぽいのかな?」と思いつつ読み進めるとヒゲが生えていることが判明して面食らった。 魔女にヒゲ。 豚に真珠でも蛇にピアスでもない、魔女にヒゲ。違和感がすごい。想像がつかない。 しかしそのあと読み進めるにつ

          マクベス自主性持って?という話

          クリスティーヌが渡した指輪の話

          「劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい」というキャッチコピーを見るたびに「秀逸だな」と思うと同時に「ちょっと謙虚だよね」と思う。らしい、じゃないよ?凄いよ?オペラ座の怪人。 このミュージカルはオペラ座に棲む怪人ファントムと歌姫クリスティーヌ、その幼馴染であるラウル子爵が織りなす恋物語にオペラ座の面々が巻き込まれどったんばったん大騒ぎな様子が描かれている。凄い。死者も出る。散々である。 物語はクリスティーヌとラウルが結ばれる形で幕を下ろすがそれはまぁいい。 私はクリスがファ

          クリスティーヌが渡した指輪の話

          李香蘭見るとマクロス作れるんじゃね?って思うよね、という話

          またまたテレ東『ブレイクスルー』の四季特集を見た関連の話なのだが、「浅利さんはオリジナルミュージカルを結構作ってたよね?」という問いに対して吉田社長が「その辺は今も上演してるけどやっぱり今のニーズに応じたものを新作で出したいよねー」と返していた。 しかし『李香蘭』は今見てもわりとよくできたミュージカルだから通用するのでは?と思うのだがどうだろうか? 男装の麗人、川島芳子をストーリテラーに据えて李香蘭の半生をミュージカル化したこの作品、まぁ構成的にはエビータ感がそこかしこに

          李香蘭見るとマクロス作れるんじゃね?って思うよね、という話