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1_2『建築をめざして』


ル・コルビュジエ / 吉阪隆正訳 / 鹿島出版会 / 1967年
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言わずと知れたコルビュジエの建築論。
この本が書かれた背景を『我々は人間なのか?/ビアトリス・コロミーナ』ではこのように分析している。「結核は、じめじめした都市で生まれる湿気による疾患であると考えられていた。(中略)近代建築の宣言活動は、結核にまつわる当時の迷信と病気への恐怖を中心に成り立っていた P.120」。結核やスペイン風邪といった病気への都市に住む人々の恐怖が、近代建築・都市という大きな社会変化を生む一つのきっかけになった20世紀初頭の状況と、コロナウイルスへの恐怖に直面している今の状況を重ね合わせると、恐れることと共にどう対峙し何を提案していくのか、そのヒントが見つかるかもしれない。

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推薦者:出口亮(大成建設 設計本部)
1981年 茨城県生まれ/2004年 東北大学工学部建築学科卒業/2006年 同大学大学院修了/2006年 大成建設株式会社。代表作として「TSURUMIこどもホスピス」など(日本建築学会作品選奨、BCS賞、他受賞多数)

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