見出し画像

ジャケ買い放り込んだ 薬指のはなし。



どうも大変お久しぶりに書いていますおけまる?
存在は忘れていたよ。

自粛期間中、というかまぁ今もそうなのじゃろうけど、
珍しく本を2作ほど、読みました。

昔から「ばかは本を読まない方がいい」
と言う謎の持論があって、まぁ間違っちゃいないかとは思うのですが、ね。
その「本」と言う中の物語をどう理解するかは
その読み手、つまりは自分次第。
だけど到底理解まで及ばないアタマで
『その「本」を読んでいる』、と言う事がステータスの様な人間が苦手だからです。


そういう奴って大抵、本当に難しいとされている文章や構成や内容は理解まで出来ていないやつが多いと思う。

要するに「その本を読んだから」、無駄に頭でっかちになって、イキりがち。これマメな。
(もちろんその本質を分かっている方もいるでしょう、そういう方はイキらへんからこれまじで。)


そんなこんなで、自分はそうはなりたくないので
普段は小説なんて、ほとんど読まないんです。
この本も多分、いつ買ったのか憶えもないぐらいに放置されていたと思う。


そして完全なジャケ買い。小説でジャケ買いってあるか?
と思われる方へ、本を読まない畑のニンゲンなんてそんなものです。
普段、CDを買わない人が、ジャケットを見て何かインスピレーションを受けて購入するような、それと全く同じ。

「あっ、可愛い表紙!薬指の…標本?なんの話しだろー面白そー」
ぐらいの感覚でした。

調べてみると、凄い方だと言うのが分かって
今ここまで、出会った経路を書いているのが申し訳なくなるぐらいですが。

薬指の標本/小川洋子

ネタバレ~とか、今更ないかとは思いますが
どんな方がこの記事を見るのかは私には分からないので、軽ーく自分の個人的な感想などを。
スペースは空けますので、読もうと思ってたのに!
と言う方は、以降スルーしてくださいね。










まず、とても複雑な表現、と言うか変わった言い回しをする方なのだなぁ、と思いました。
(のちに、それが「美しい」なのだと気が付いたのだけれども。)

とても印象的な場面がありました。

靴をプレゼントするんですね、男性が、女性に。
その靴は、そんなに近い距離ではない男性からプレゼントされるような靴ではない、と
女性が驚く程、自分の脚にフィットして馴染んで、まるで木型から取って仕立てたような、そんな靴だった。

真っ黒な本革の、美しく曲線を描くそのつま先に小さなリボンがちょこんとついた、ヒールは5センチぐらいの、
と言うと、大体の女性は「あぁ、あんな感じの靴かな?」と、想像が付くような靴だと思うのですが。(勿論、本当の所は分かりません。)


そこからのストーリーは淡々と、ピッタリと馴染んだ靴を履いた女性がまるでタンタンタンっ、と階段を降りるように、または登るように進みます。
(まぁ、大体お話は淡々と進むのだけど)

その描写が、私はとても好きでした。

靴をプレゼントされる事って
女性だろうが男性だろうが、日常的に考えてあまりないな、と思ったのと
そのプレゼントされた靴が、このあまり中身の無い脳で考えても、想像の範囲内で浮かぶ事
そしてその文章、一節一節の美しさが。

そして、あまり似てはいないけれど
私自身もとても前に、オットさんに靴をプレゼントしてもらった事があったから。

私は無類の靴好きで
買っては溜め込んでしまう癖に、履かないものも多くあって。



大切に思う人からプレゼントされた靴をずっと履く、
と言う行為が、とても美しく思えたので。


と、まぁ感想と言うか、小学生の読書感想文(以下)になってしまったけど。

失う、得る、それを行き来する作品だと思いました。
それって、普通に人間の人間らしい事なのに
どうしてこう仕上げる事が出来るのか…不思議でした。才能ですかね。


私も、
「大切だから!」とあまり履いていないプレゼントしてもらったあの靴を、これからもっと大切に履いていこうと思いました。
黒い本革の、美しくカーブしたその先には小さなリボンがちょこんと付いていて、ヒールはほとんどないけれど、編み上げリボンが付いた
あの可愛いバレエシューズ。

プレゼントしてくれた人は、
「まるで私の為にあるような靴だね」
そう言ってくれたのを、思い出したのです。





サポートってなぁに?ぬこの為に使うよ! これからもどうぞよろしくね(´>∀<`)ゝ