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路線バス旅行記inサルディーニャ島

ある年の六月、夫が親友夫婦の結婚式のベストマンを頼まれたので夏を待たずにイタリアに帰省することにした。

夫が「まだ、シーズンが始まっていないうちに(安いうちに)サルディーニャに行こう!」とナイスな事をいうので、このチャンスにしっかり乗ることに。

サルディーニャ島はイタリア半島の西側の地中海に浮かぶ島。フランス領コルシカ島の南に位置し、トリノからサルディーニャはほぼ一直線に南下するだけ。飛行機の窓から見下ろすと、まずコルシカ島が見えてくる。あまり高いところを飛ばないので、結構よく地上の様子が見えてドローン的な景色が面白かった。コルシカ島の上空を通過するとすぐにサルディーニャ島が見えてくる。
サルディーニャ島は、高級リゾート地で有名。特に島の北部はとてもリッチなリゾートエリア。
実際トリノ空港では、ユベントス所属の現役サッカー選手ファミリーを見かけましたよ⚽

トリノからサルディーニャ島へ

ホテルは首都カリアリのキッチン付きのコンドミニアムタイプを予約。丘の上のこのコンドミニアムは、広々としたリビングとベッドルームがありテンションがあがった🎶

カリアリから行けるビーチも綺麗だけど、せっかくサルディーニャに来たんだから、もっと綺麗な海が見たい!と、少し遠出をすることに。
ヴィッラシミウスという海がきれいな街までオプショナルツアーもあったけれど、一人当たり1万数千円以上と高いので路線バスでいけるなら路線バスにしよう!という事になった。

そして、これからの出来事が今後高くてもいいからオプショナルツアーを利用しようと決心するキッカケとなったのだ。

バスは最前列席を確保、1時間程度の旅にさあ、出発だ!

長距離バスのイメージ

第一の難関、まず、市内中心部のバスステーションからカリアリ市内を出るまで時間がかかる、かかる💦
その理由は、各バス停に停まるたび、アフリカからの移民の人たちが乗ってくるのだけれど、チケットの不正利用が横行していて、毎回バスドライバーとの駆け引きが私達の目の前で繰り広げられる。

ある人は有効期限切れのチケットを、日にちが隠れるように指で押さえて乗り込むが、あえなく見つかる。

他のケースは、複数でグルになっていて先頭の人がチケットをドライバーに見せたら、わからないように次の人へチケットを渡して再利用しようとする。これも即見つかり、アウト。

彼らは見つかっても悪びれることもなく次の段階、交渉へと進む。「お願いだから見逃してくれよ。」とでも言っている様子。
バスドライバーは慣れたもので、なぜ載せてもらえないのか理由を告げ、No!と伝えるも、勢いに任せて強引に乗り込もうとする者や、その者の後ろの隙間にわりこんで無理やり乗り込もうとする者など、バスの入口は毎駅ごった返す。

こんなすったもんだを目の前で6~8駅ぐらいやり過ごしたら、やっとカリアリ市内をぬけた!

それからは山の中を走っていく。

途中、山の真ん中、人が住んでる気配のないところでバスを降りる移民が💦どこに行くんだろう???
夫に「あの人の家この辺りにあるのかなぁ?全く人が住めそうにないけど。」と聞くと、「ずっと歩いたところに家があるんじゃない?」と無難な返事。そりゃそうよね。いくらイタリア人でもトリネーゼかつ東京在住10年以上の夫がサルディーニャの事情を知るわけがなかったわ。

さあ、そうこうしている間に木々の間から海が遠くにチラチラ見え始めた!やった~!海だ!

そして、てっきりビーチまで連れて行ってくれると思いきや、最終駅は街のど真ん中。え?ここが終点?だって、ビーチはまだまだ彼方にある。っていうか、ここから海は見えませんけど?

田舎の街にタクシーなんてない。
しかたなく、最終のバス停からビーチがあるであろうと思われる方向へ歩き始める。
炎天下。
日かげはない。
しかも、こんなタイミングで娘はもちろん「だっこ」。

エネルギッシュ過ぎる太陽

歩いているうちに遠くの地平線に美しいビーチと思われるものが小さく見えてきた。方向はあっていたらしいが、
あそこまで歩くの??

ビーチまでは歩いても歩いてもなかなか辿りつかない。
結局、ひたすらに伸びる2㎞程の道を30分程度歩く羽目に(涙。

ビーチから街を見た景色。
街すら見えないほど遠いこの距離感を分かっていただけますか?

やっと辿り着きそうって頃に大きなバスが私達を追い越してビーチに到着。

え?まさか、オプショナルツアーならビーチまでバスで運んでくれたの?!?!
私達のこの苦労もそうだけど、なにより旅行中という限られた貴重な時間を無駄にしてしまった!

やらかしてしまった!時の感情表現イメージ

海で遊べたのは正味40分程度。

なぜなら、カリアリに戻る終バスに乗らない行けないから(涙

この出来事をきっかけに「次回からはお金がかかってもオプショナルツアーに申し込もうね。もう私達も若くないし。」という結論に達しました。

でも、このような旅の方が記憶に残るんですけどね。

いうまでもなく、海はとても透明感があってきれいでしたよ✨


私達からは遠かったVillasimiusのビーチ✨


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