見出し画像

三菱UFJ銀行員、親族らに顧客企業のインサイダー情報漏えい可能性

三菱UFJ銀行(東京)の行員が、同行の顧客企業に関する株式公開買い付け(TOB)などの情報を、公表前に親族らに漏えいしていた疑いのあることが関係者の話でわかったようです。

親族らは顧客企業に関する株取引を行い、数百万円の利益を得ていた可能性があるということです。

証券取引等監視委員会も同様の事実を把握し、金融商品取引法違反の疑いで行員の自宅を強制調査するなどしたようです。

同法は、上場企業のTOBや合併・買収などの「重要事実」を業務で知った企業や取引先の関係者が、公表前に株を売買したり、他人に利益を得させるために情報を漏らしたりすることを断じて禁じているということだが、公になっていないだけで良くある話しだという元銀行員もいるようです。

関係者によると、監視委の調査対象となっているのは、同行本社に勤務し、系列証券への出向経験もある行員のようです。

同行や系列証券の顧客企業に関するTOBなどの非公開情報を業務で把握し、2023年までの間、公表前に複数回にわたって親族らに伝えた疑いが持たれているようです。

監視委は今年5月頃に行員の自宅を強制調査し、関係先として同行や系列証券にも調査に入っており、今後は親族らにも事情を聞くなどし、行員とのやりとりや取引の実態を慎重に調べていくようです。

行員は監視委に対し、不正への関与を否定しているということです。

同行の親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は読売新聞の取材に対し、「三菱UFJ銀行の行員が監視委の調査を受けていることは事実。情報漏えいが事実であれば誠に遺憾で、調査には全面的に協力したい」としている。とコメントしている様です。

同行は内規で、顧客企業の非公開情報を親族らも含めて外部に漏らすことを禁止しています。

同行を巡っては、監視委の調査で、顧客情報を系列証券と無断共有することを禁じる「ファイアウォール(FW)規制」の違反行為などが判明。

今回とは別の行員が顧客情報を使って自己利益目的の株取引を行っていたこともわかり、この行員は懲戒解雇された。

監視委の勧告を受けた金融庁は6月24日、同行と系列証券2社に同法に基づく業務改善命令を出したほか、MUFGと同行に銀行法に基づく報告徴求命令を出し、原因究明などを求めたようです。

監視委は一連の調査の過程で、今回の情報漏えい疑惑も把握したとみられるとのことです。

やはりこのようなことが、ボロボロでてくるということは、三菱UFJ銀行内、他行でも同様の顧客企業に関する株式公開買い付け(TOB)などの情報を、公表前に漏えいするようなことは頻繁にあり、明るみになったのは氷山の一角であると考えられます。

特に今回、不祥事が明らかになった三菱UFJ銀行は今後より一層、情報セキュリティーを強化し、信用回復に努めて欲しいと心より願うばかりです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?