郵便配達、10月から土曜休止!!
日本郵政グループの日本郵便は10月から土曜日の郵便配達をやめる。
郵便物の数は右肩下がりが続く。
配達日を減らすことで働き方改革と収益改善を進める。
週末も変わらず扱う速達の値段を下げるなどして利便性が一方的に低下しないよう配慮する。
浮いた人員は、インターネット通販の拡大などで需要が高まる宅配便「ゆうパック」に振り向ける。
社会の変化に対応した合理化策の一歩となる。
土曜の配達を休止するのは手紙やはがきなどの普通郵便と、冊子などを送る「ゆうメール」。
金曜にポストに入れても届くのは月曜以降になる。
深夜勤務の縮小で、平日も配達までに今より1日余計にかかるようになるため、利用者は注意が必要だ。
いまは、おおむね午後5時までに投函(とうかん)すると大半の郵便物が翌日に届く。
これが翌々日になる。既に配達が翌々日の地域は3日後となる。
土曜休配は10月から始め、配達日の繰り下げは2022年3月までに全国で適用する。
「差し出したら翌日に郵便が届く地域」は基本的にはなくなる。
速達は土日休日の配達を続け、料金も約1割下げる。
250グラムまでの郵便物は290円が260円になる。
配達日の指定サービスで「土曜」を指定した場合、従来はオプション料金が平日と同じ32円だったのが210円に上がる。
書留や代金引換、ゆうパック、ゆうパケットなどは従来通り土日休日も扱う。
集配業務を担当する郵便局が各地に点在するポストから集めた郵便物は、主に深夜に人手も使って仕分けしている。
土曜配達をやめ、平日の配達日も繰り下げることで、仕分け業務にかける人員の負担が軽くなる。
郵便業務の深夜勤務を減らし、巣ごもり消費などで堅調なゆうパックなどに人員を再配置する。
日本郵便は制度改正を通じて500億円ほどの収益改善効果があると試算している。
郵便物は減少の一途をたどり、サービスを維持するのが難しくなっている。
20年度は新型コロナウイルス禍で19年度より6.8%の大幅減となった。
取扱数は19年連続で落ち込み、ピークだった01年度から4割も少なくなった。
利用者もサービス低下を容認する意見が多かったことで、今回の制度改正が実現した。
総務省が18年末から19年1月に調査した結果、土曜休止は「やむを得ない」という声が約6割に上った。
翌日配達の見直しも、約6割が容認する意向だった。
政府は当初、19年の臨時国会に郵便法の改正案を提出する構えだった。
郵政グループでかんぽ生命保険の不正販売問題が発覚したため、顧客対応や信頼回復の取り組みを優先して見送った。
日本郵政が再発防止策をまとめ、かんぽ商品の営業自粛を解除したことから20年の臨時国会に法案を提出した。
同年11月に改正法が成立した。
改正法は日本郵便に課している週6日以上の配達義務を5日以上に緩和した。
差し出し日から原則3日以内に配達する義務も4日以内に延ばした。
郵政グループは全国一律のユニバーサルサービスを法的に義務づけられている。
かねて持続可能性が問われてきた。
固定電話のユニバーサルサービスは基金制度があり、通信事業者が収益の一部を拠出するなどして赤字を補塡する仕組みになっている。
スマートフォンやSNS(交流サイト)の普及で郵便物数はさらなる減少が見込まれる。
需要の縮小が加速すれば、サービスの内容や水準の見直しが改めて課題として浮上する可能性もある。
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