五月自選短歌「サラバ、新宿」
五月雨に滲む新宿 酔いどれの
描く水面は夢を映して
出会うとは心の岸辺に橋を掛け
胸のビー玉渡し合うこと
私まだ忘れてないよ約束も
誓いもぜんぶ呪いに変えた
転調も休符もある我が人生だ
ノイズのような日々を刻むな
言葉など覚えなければ頬寄せて
触れ合うだけで満たされたのに
やさしさを見せつけあって触れ合って
なだめすかせてまたさようなら
タイミングずれてるようで同じとき、
同じ想いで傷付いてたり
俺は君のことなど詠まぬ
都合よく忘れもできぬ魂は燃ゆ
決別の色ならきっと灰色で
霧雨煙るサラバ、新宿
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?