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【会計】日本版S1基準における「重要性がある」の定義、検討─SSBJ

去る2月2日、SSBJは第8回サステナビリティ基準委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。

■検討すべき論点の整理(論点リスト)

前回審議(2023年2月10日号(No.1668)情報ダイジェスト参照)にて、日本版S1・S2基準の開発(日本版S1・S2プロジェクト)が決定されたことを受け、事務局は、現時点において想定される主な論点の一覧(論点リスト)をそれぞれに作成した。たとえば、SSBJからISSBのS1基準案へコメントした事項や、「報告企業」、「『重要性がある』の定義」などの日本の制度等にあわせて追加・修正の検討を提案する事項などが挙げられている。
なお、日本版S2プロジェクトについては、ISSBの暫定決定を踏まえ、次の考えを示した。

  • ISSBのS2基準案付録B「産業別開示要求」に相当する産業別の日本基準を開発することはしない

  • ISSBにおいて規範性のあるものとして位置づけられることとなった場合に、あらためてSSBJとして当付録Bを踏まえた産業別の日本基準を開発するかどうかを個別に検討する

委員からは賛同の意見が聞かれ、そのうえで「どのように基準を整理していくのか」といった質問があった。事務局は「ある程度内容が固まったのち、委員会で別途議論していく予定」と回答した。

■日本版S1プロジェクト「重要性がある(material)」の定義

前項で示された日本版S1プロジェクトの論点の1つ、「重要性がある(material)」の定義に関連し、事務局は次のような提案を行った。

①日本版S1基準において、IFRSサステナビリティ開示基準における「重要性がある(material)」の定義と整合的に「重要性がある(material)」の定義を定める
②S1基準案BC72項における、重要性の判断にあたり企業に考慮を求める事項について、規範性のないガイダンスとして公表する
③仮に①の事務局提案どおり、日本版S1基準において、IFRSサステナビリティ開示基準における「重要性がある(material)」の定義と整合的に「重要性がある(material)」の定義を定めるとした場合、その旨をASBJに報告する

委員からはおおむね賛同の意見が聞かれた一方、「今後、ISSBが追加的なガイダンスを開発するとのことだが、独立した規範性のガイダンスとするのか等、検討の余地がある」、「②について、BC72項だけではなく、財務上の影響の考慮を求めるBC71項も含めるのはどうか」等、さまざまな意見が聞かれた。
事務局は、「『重要性』は大事な概念。内容に誤解が生まれないよう、情報発信のしかたも含めて検討する」とした。


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