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【会計】ストックオプション課税のQ&A等、公表─国税庁

去る5月30日、国税庁は、「ストックオプションに対する課税(Q&A)(情報)」(以下、「Q&A」という)を公表した(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/230428/index.htm)。
ストックオプションについては、税制非適格・税制適格・有償型・信託型といった類型があるところ、課税関係を体系的に示す必要があること、信託型ストックオプションの課税関係については、国税庁と異なる見解が広まっており、国税庁の見解を示す必要があること、また、令和5年度税制改正による税制適格ストックオプションの要件緩和の改正を周知する必要があるといった趣旨から、公表されたもの。

■Q&Aの概要

Q&Aの問3では、「税制非適格ストックオプション(信託型)の課税関係」が解説されている。このなかで、役職員がストックオプションを行使して発行会社の株式を取得した場合、その経済的利益が給与所得となる旨が明記されており、次のように注書きがされている。


税制非適格ストックオプション(信託型)については、

  • 信託が役職員にストックオプションを付与していること、信託が有償でストックオプションを取得していることなどの理由から、上記の経済的利益は労務の対価に当たらず、「給与として課税されない」との見解がありますが、

  • 実質的には、会社が役職員にストックオプションを付与していること、役職員に金銭等の負担がないことなどの理由から、上記の経済的利益は労務の対価に当たり、「給与として課税される」こととなります。


また、発行会社は、この経済的利益について源泉所得税を徴収して、納付する必要があるともされている。問4では、源泉所得税の納付をしていないことが判明した場合の対応として、速やかに納付し、一時に納められない場合には、税務署に申請を行うことにより、原則で1年以内の期間に限り、納税の猶予等が認められる場合がある旨が記載されている。

■株価算定ルールに関する通達改正のパブリックコメント

同日、国税庁から、税制適格ストックオプションに係る付与契約時の株価算定ルール等に関する「『租税特別措置法に係る所得税の取扱いについて』(法令解釈通達)等の一部改正(案)」が公表された(https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410050035&Mode=0)。
税制適格ストックオプションの権利行使価額要件に係る「契約時の1株当たりの価額」に関し、取引相場のない株式については、「株価算定ルールが明示されておらず、税制適格ストックオプションの発行等において不安定な税務実務となっている」との指摘に対して、その算定方法の明確化を図るもの。
コメント期限は6月29日まで。


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