「飛行機と列車」3年 山田倖蔵
「飛行機と列車」
3年 経済学部 山田倖蔵
札幌行きのチケットを片手にキャリーケースを引く。窓際の席につき離陸と同時にヘッドフォンを装着し、広大な大空と睨めっこをする。
空の上で多くの事を経験し、様々な感情を味わった半年間を振り返る。
一日でB1から落ちた日。
札幌から応援しに来てくれた母の前で不甲斐ないプレーをした日。
火曜日のシャトラン。
練習後みっちりボールを触ったあの日々。
そんな日々には、また1から頑張ろうぜと言ってくれる友がいて、鼓舞しあえる仲間がいて、常に高い壁となり、ちょっぴり羨ましいあいつらがいて。
きっとこの感情は中大にこなきゃ、味わえなかったと思う。
けど、最後に残る感情はやっぱり悔しさであって、停滞する自分に対する歯痒さであって。
関東リーグに出る。入学時に立てた目標がどんどん遠のいていく。
長く続かない努力にイラついてくる。俺の技術はこんなもんじゃない。もっとやれる。今に見てろ。そう強く思ってた一年の頃の自分がどんどん薄くなっていく。自分のストロングがなくなっていく。
そんな自分に対する苛つきも窓から見える青空をみるとどうでも良くなってくる。悔しさが一瞬で消える。
そんな自分が嫌いだ。
そんな自分を愛するために、走りの際は最後まで全力で走ろう。たくさんボールを触って誰よりも上手くなろう。夏を言い訳にやめた筋トレもしよう。ブライトンの試合は夜遅くてもみて学ぼう。誰よりも愉しもう。
幼い頃描いた夢は破れ、小学2年生から常にフル稼働したこの高速列車の切符に書かれた行き先は自分次第。家族や支えてくれる友達。それらを燃料にして走ろう。途中腐って錆びることなく、自分を魅了するその道を進もう。
もう下は見ない。加速するために前を向く。
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