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もう一度、熱く。 4年 大石謙介



サッカー人生のカウントダウンも
気づいたら後1日となりました。

最後の部員ブログとなると思うので
あまり話してこなかった過去の話と、
引退を明日に控えた今の気持ちを綴りたいと思います。

明日、サッカー人生は幕を閉じる。
18年間続けてきたサッカーがなくなる生活はなかなか想像出来ないし、サッカーが楽しくて引退したくない気持ちも強い

しかし、本来自分のサッカー人生は
4年前に終わっていた。

高校サッカーの代名詞でもある
選手権の全国大会で負けた4年前。
サッカーを辞める決断をした。

夏の総体敗退から選手権までの約200日.
24時間、全ての時間をサッカーとチームのために注ぎ込んだ。
練習中はもちろん、練習以外も、起きている時間のほぼ全ての時間でチームのことを考え、気が休まるのが寝る瞬間の自分の部屋だけだった。
主将として、それほどの想いをもってサッカーと、チームと向き合い続け、選手権に挑んだ。

しかし、結果は、PK戦の末に敗れた。
負けた直後は涙が出ず、応援団がいるスタンドに挨拶に行った時も、なぜか涙は出なかった。
ロッカールームに戻り、試合に出れず悔しい思いをしていた同期が悔しさを殺し
「おつかれ。」と一言言ってくれた時に
「全てが終わったんだ。」と、張り詰めていた緊張感とプレッシャー、全ての肩の荷がおりるようで、涙が溢れかえった

精神が抜けるような感覚は初めてで、
あんなに泣いたのは人生で初めてだった

今、冷静に振り返ると、
県の期待を背負う誇りと強いやりがいと同時に、圧倒的にキャパをオーバーする責任感とプレッシャーを感じていた。

後悔ないといえるくらい出来ることは全てやり、サッカー人生を終わる決断が出来るほどやり切ったと思えた。
4年前のその日、
サッカー人生に一区切りをつけた。

が、とある流れで、中央大学サッカー部に入ることになり、気づいたら4年が経ち、もうあと1日で引退というところまで来てこの部員ブログを書いている。

この4年間は、ただ純粋にサッカーを心の底から楽しんだ。
もちろん高校時代も楽しかったが、プレッシャーをあまり感じずにサッカー出来る感覚が久しぶりで嬉しかった。
しかし、かつてのようにどこか本気で向き合い続けることは避けて、熱くなれていない自分もいた。
それでもサッカーが楽しかった。

最終学年の今年。

悔しいスタートから始まったが、
最後の1年だからこそ、本気で向き合い後悔ないように、自分が経験してきたことや持っているものを全てこのチームに還元しようと覚悟を決め、Bチームの同期と一緒にチーム作りを1からやってきた。
同期で毎日ミーティングをし、チームの課題を一つずつ改善し、一人一人が悔しさやそれぞれの感情を殺しながらもチームが勝つためにやってきた。

Iリーグは、劇的な逆転勝利の展開ばかりで、漫画の世界の様に奇跡の連続だった

4年目にして、ここまで真剣にチームのことを考えて悩んだり、辞める決断をしたあの時のように熱くなっている自分がいることが嬉しかった。
他大学を見ても、4年生がここまで本気で向き合っているBチームは中々ないし、
もう一度熱くさせてくれたこのチームに何か残したかった。

優勝決定戦は劇的勝利とはいかなかったが、後輩と中大サッカー部に、1部という舞台を残すことが出来て本当に良かった

年を重ねるにつれ、変なプライドが邪魔したり、周りの目を気にするようになり何かに本気になって真剣に打ち込む事が難しくなってくる。

けど、本気でやらないと何も残らない。

それを大学サッカーが学ばせてくれた。

最後の2年で戦ったIリーグは、何度も嬉しくて叫んだし、悔しくて泣くこともあった。
それは本気でやった先に見える景色や感情であり、本当に特別なものだった。

どう願っても明日で引退となるが、
まだ大学サッカーが残っている後輩達が
残りの期間を後悔なく過ごせるように、何か少しでも感じ取ってくれたら幸いです。

最後に
広島時代から今でも応援して下さるサポーターの方がいてくれること、本当に感謝しています。
いつも、本当にありがとうございます。

明日のラストゲーム。
18年間の全てを出し切って、
みんなと笑って終わりたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


◇大石謙介(おおいしけんすけ)◇
学年:4年
ポジション:MF
前所属:広島皆実高校

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