中大サッカー部にいる目的
三年 マネージャー 鈴木愛理
父がサッカー関係者という家庭に生まれ、私にとってサッカーは、とても身近なものであり、生活だった。
小さい頃から、毎日のように父や2人の兄の試合や練習について行き、私の遊び場はいつもグランドだった。家での会話も、サッカーの話が、とても多かったように記憶している。
それだけ毎日サッカーに触れる機会があったにも拘らず、私はサッカーには全くと言っていい程、興味がなかった。あまりにも身近過ぎたからなのか、その反動だったのか。
そんな私が、何故今、大学のサッカー部のマネージャーをしているのか。大学生活のほとんどの時間をサッカー部に費やしているのか。
それは、「サッカーの良さ」を直接感じ、将来、私が感じた「サッカーの良さ」を広める活動に貢献したいと思ったからである。
「サッカーの良さ」というのは少し抽象的な言葉かもしれない。
もし、この世の中から車や電車、飛行機などの交通手段がなくなったら全ての人の生活に支障が出るが、サッカーがなくなっても人々の生活に支障は出ないと思う。
しかし、人の心はどうだろうか。
生きがいを感じているものやストレスを解消しているものがなくなってしまうと人の心は折れてしまうのではないだろうか。
6年前に亡くなった私の祖父はスポーツを観るのが大好きで、特に兄のサッカーの試合を観るのが好きだった。祖父は病気で余命あと僅かと医師から宣告を受けていた。それを知った兄が6試合連続でゴールを決め、それを観た祖父は、見違えるほど日々元気になり、それから1年以上も生きることが出来た。医学では解明出来ない何か不思議な力が私の祖父を元気にした。このことは、医師の学会で紹介されるほどだった。
スポーツには、そんな素晴らしい力がある。
そんな「サッカーの良さ」を私は伝えていきたい。
中学に入学した時、担任の先生がサッカー部の顧問であったことが、きっかけで、私はサッカー部のマネージャーになった。中高一貫校であった為、6年間直接サッカーと関わる事になった。身近ではあったけれど、全く関心の無かったサッカーに興味を持つようになった。
サッカーの面白さや楽しさだけでなく、サッカーというスポーツが持つ不思議な力や
「サッカーの良さ」も自然と感じるようになった。
そしてサッカーにおいては、私は大変恵まれた環境で生まれ育っている事にも気づいた。
中大サッカー部に入部し、サッカーに対し本気で取り組む選手と一緒に活動していく中で、サッカー部の一員として私は何ができるのか、自分の強みがわからなかった。正直、サッカー部を辞めて新しく何かを始めた方が良いのではないかと考えたこともあった。
しかしそんな迷いを吹っ切れるきっかけになったのが、今年の初めに学年で行ったミーティングだ。
40人いれば40個の考え方とサッカーにかける思いがあるという事に気づいた。学年全員の目標と存在意義を聞いてやっぱりここでマネージャーとして戦い、「サッカーの良さ」を感じたいと思った。
私のマネージャーとしての存在意義は選手それぞれにあったサポートをすること。
私の学年幹部としての存在意義は、あえて選手ではない立場からの視点で、考えて意見を伝えること。
私の事業本部の企画としての存在意義は企画のリーダーとして企画のメンバーをまとめて事業本部やチームの狙いに対して効果的な、企画を考えること。
マネージャー、幹部、事業本部という3つの役割で中大サッカー部に関われてるのは私だけだ。だからこそ、3つ全ての面からチームをサポートして戦うことができるのが私の存在意義である。
私たち学生スタッフは試合に出て勝利に貢献することは出来ない。だからこそ、選手ひとりひとりにかける思いと、勝利を願う気持ちは、とても強い。
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