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建築現場の足場の種類とは?外部足場、内部足場、地足場の特徴をそれぞれ解説 2023/12/6

建築工事で必ず必要な足場は、工事に関わる職人にとって、なくてはならないといっても過言ではありません。

足場は工事の初期段階から最後までさまざまな場所で使用されます。また、足場は1度組んだら終わりではなく、工事の進捗によって形を変えて利用されます。

足場は職人の安全を確保するだけではなく、作業に専念して良い仕事をしてもらうためにも必要です。そのため、職人が作業しやすい足場を組むことが求められます。

そこで今回は、作業ごとに組まれる足場の分類について解説します。


1.足場を大まかに分類すると

足場の分類と聞くと、枠組み足場やくさび緊結式足場などを想像するかもしれませんが、ここでは、作業の場所ごとに利用される足場の分類について説明します。

1-1.外部足場

外部足場は建物の外側に組み立てる足場です。建物全体を取り囲むように組まれ、高さも建物と同じくらいになります。

外部足場に求められることは、十分な強度があり、作業者が複数人移動しても安定していることです。外部足場は足場の中でも最も長い期間利用するため、天候の影響を受けないように配慮しなければなりません。

具体的には台風などの強風時にもしっかりと耐える足場です。足場で使用される単管パイプは、外径48.6ミリメートルの棒状であるため、単管パイプ単体であれば余程の強風でなければ風の影響を受けることはないでしょう。

しかし外部足場には通常、飛散防止ネットが設置されます。飛散防止ネットは風の力を受けやすく、その分足場にも大きな負荷がかかります。

外部足場は足場の中でも高所まで組むため、飛散防止ネットにかかる力をしっかりと支えられるような施工と管理が必要です。

1-2.内部足場

工事が進み建物の床が完成すると、内装工事のための内部足場を設置します。内装工事には建物内部の床・壁・天井の仕上げをはじめ、電気・水道・ガス等の設備工事も含まれます。

内装工事では上の階の床裏作業に見合う高さの足場が必要です。建築基準法では居室の天井高を2100ミリメートル以上と規定しており、高くする分には制限がありません。

一戸建てやマンションでは2400ミリメートルの天井高が一般的です。天井高が2400ミリメートル程度の内装工事では、足場を組まずに脚立や立ち馬と呼ばれる可搬式作業台が使用されています。

一方、工場や商業施設、体育館や劇場など用途が特定されている建物については、多くの場合5メートルを超えるため、外部足場のような足場を組むことがあります。

脚立や立ち馬では届かない場所で、足場を移動しながら作業をする場合は、高所作業車やローリングタワーを利用する方法があります。

1-3.地足場

地足場は地面より下の、建物の基礎部分などの構造物をつくるために設置する足場です。

建築工事において、基礎工事は建物の土台となる部分をつくる重要な作業であり、丈夫な鉄筋コンクリートで施工します。

鉄筋コンクリートの施工で建物の強度などを確保するために初めに行う「配筋作業」では、作業員が基礎内部で安全に動き回ることができるよう、地足場を一時的に設置します。特に建物の土台となる基礎梁の組み立ての際に、作業員が基礎の内部で鉄筋を結束しながら移動するためにも地足場が不可欠です。

次に行なわれる作業は「コンクリートの打設」。建物の基礎が均一な強度となるように、コンクリートを全体に均等に流し込むことがカギとなります。そのため作業員は地足場を移動しながら、打設する位置を調整しコンクリートを流し込みます。

これらのプロセスで地足場が重要な役割を果たし、安全で効率的な環境と、建物の強度や安定性が確保されます。

2.それぞれの特徴・組み立て方とは

作業によって使い分けられている足場ですが、それぞれの足場の特徴と組み立て方について説明します。

2-1.外部足場の場合

外部足場の特徴は建物全体を覆うため、たくさんの足場資材を使用することです。資材が多いため組み立てる時には、多くの鳶職人が作業を行います。

外部足場は建物の最上部まで足場を組み、作業には墜落リスクが伴います。そのため5メートル以上の高所で作業を行う場合は、フルハーネス型墜落制止用器具を使用しなければなりません。

外部足場の組み立て方は、まず建物の図面をもとに足場の割りを行います。足場の割りは設計図となるもので、この段階で全体の構造が決まります。足場の割りが決まったら、設計図通りに足場を組みます。

2-2.内部足場の場合

内部足場の特徴は、建物の内部構造によってさまざまな選択肢があることです。住宅やマンションなどの天井高が2400ミリメートル程度であれば、脚立や立ち馬を使用すれば作業はできるため、足場を組み立てる必要はないでしょう。

内部足場を使用する判断基準としては、足場以外の方法で作業床を設けられるかということがポイントになります。内部足場を組み立てる場合、外部足場と違い建物の内部に多くの資材を運搬しなければならないため、非常に手間がかかります。

また建物の内部に外部足場のような足場を組むと、作業者の移動や資材の運搬に影響します。内部足場を検討する場合、できるだけ手間のかからない方法を優先に考えます。

内部足場の手段として最初に検討するのが高所作業車です。
高所作業車は、高いもので25メートルまで伸ばすことができ、移動が容易であることから、多くの工事現場で利用されています。

しかし高所作業車は通路を確保しなければ利用できません。建物内部で通路が狭い、段差がある場合、高所作業車が入っていけません。その際は、ローリングタワーの利用を検討しましょう。

ローリングタワーであれば、6メートル程度までの作業床を簡単に組み立てることができます。また、高所作業車が入れない場所でも、資材をバラして運搬できるため、最小限の資材運搬で足場を設置することができます。

高所作業車やローリングタワーは床面が水平な場所でなければ使用できないため、傾いた床面の場合は単管足場などを組む必要があります。

2-3.地足場の場合

地足場は地面よりも下で行う作業のために組む足場です。ビルやマンションなどの大規模な建築物は、大きく強固な基礎が必要となるため、地面を掘って基礎を施工します。

地足場は基礎工事を行う職人が、基礎の上を移動したり配筋作業をしたりするために組み立てます。建物の中心を貫くように設置して、基礎の上を移動できる足場です。

地足場の組み方は、基礎として地面を掘った場所に捨てコンと呼ばれるコンクリートを流し込みます。捨てコンは基礎をつくる前に地盤に流し込むコンクリートのことで、地足場は捨てコンの上に組み立てることになります。

地足場は単管で組まれることが多く、その理由は高さや設置場所の調整に自由度があるからです。地足場は基礎工事の進捗によって何度か組み直すこともあります。

地足場を組む上で注意することは、最後に基礎のコンクリートを流し込む時に干渉しないことです。足場がコンクリートで固められてしまい解体できなくなってしまいます。

コンクリートを流し込む前に、地足場の建地の位置を確認しましょう。

3.まとめ

今回は、建築工事の作業ごとに組まれる足場の分類について解説しました。どの足場も作業者の安全と作業のしやすさのために組まれるものです。資材も共用することが可能であるため、使い方を工夫して作業の効率化に取り組んでみては如何でしょうか。



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