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Aruvi

Aruviは2017年に公開されたタミル語の映画。現代の大量消費主義、女性差別を取り扱う社会系の作品。主演はアディティ・バランが務め、本作がデビュー作。数々の南インドにおける映画賞を受賞した。

あらすじ

アルヴィは中流家庭出身で両親から深い愛情で育てられてきた。しかし、ある出来事をきっかけに家を追い出されることになり、チェンナイのテレビ局で銃を持って人質事件を起こす。アルヴィに何が起きたのか、そして何を伝えたかったのか。様々な社会問題に疑問を投げかけ、そして感動的なストーリー。

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ポスター、予告編詐欺

「なぜこうなったのか…。」本作品を見終わった後にポスター、そして予告編を見て最初に感じたこと。どちらも人々の興味を引くためにこの上なく重要なものだと思うが、物語の雰囲気に全く合っていない。これまで70本インド映画を見てきて何となく南インドの映画はオーバーな演出が多い印象がある。これはオーバーどころか別物。せっかくのいい作品なのに勿体無い。紹介してくれた同僚には感謝したい。

保守的な南インド文化

さて、この作品はタミル映画のため舞台は南部のタミル・ナードゥ州である。インドは地域によって全く異なる言語、文化があるのが魅力でタミルにも独特の文化がある。最近は若者を中心に少しずつ変わってきているようだが特に女性に対する制限が多い。女性はお酒を飲んではいけない。タバコを吸ってはいけない。結婚するまで男性と二人で遊びに行ってはいけない。インド国外にも行ってはいけない。結婚はお見合いで。家庭によって個人差はあるが大体こんな感じである。こんな背景を把握しておくと本作品をより理解できる。

幸せとは?

この作品の見所の一つはアルヴィが考えるこの世で「幸せな人生」と呼ばれていることに言及する場面である。ある意味でアルヴィは普通の南インド人女性の人生から外れた立ち位置にいる。そのため無抵抗に人の考えを受け入れたりしない。そんな彼女にはどんな風にこの社会が映っているのか。3分以上に及ぶ長ゼリフに注目。

予告編ビデオ


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