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若者と老人(徒然草第172段)

徒然草 第172段 若者と老人 現代語訳


若い時は 血気盛んで、移り気で、よく深い
危険なことをして、そして失敗して思い悩む様子は
坂道を転がるガラス玉のようだ。

きれいなものを買い散財したかと思ったら
断捨離だと言ってそれらも捨ててしまって
粗末な法衣を身に纏って法師のようになってしまうし、
時には興奮して喧嘩したり、誰かを恨んだり、悲しんだり
心情がコロコロと変化する。

色恋に心を掻き回され、突然、思い切った行動に出て
これからの安定していたであろう生活を捨て
自分の好きなことをして人生の黒歴史を作ってしまう。
それも若者の浅はかなところだ。

老人は、気力も衰え、何事にもタンパクで、大雑把で
少しのことでは心を乱されない。
だから、心は自然と静かになり、無駄なことはせず
自分の体調のことを考え、心配事もなく
他人に迷惑をかけないようにと気を配りながら生きている。

年寄りは若者より知恵がある。
それは、若者が年寄りより若いことと同じなのだ。


徒然草第172段についておしゃべりしているポッドキャストはこちら
【勝手に徒然草#95 若者と老人】


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