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原価厨と情報の非対称(2)

おはようございます。
先日記載した「原価厨と情報の非対称性」の後編です。
ほぼエピローグです…w

前回で売り手と買い手の売り手の情報の非対称・対称というお話をしました。

情報社会の現在では、売り手と買い手の情報がほぼ対称となってきている時代、価値をつけることが非常に難しくなってきています。

非対称の時代では、「わからない」ことに価値があったのではと思います。
つまり、わからないからこそ、商品の期待値が高くなり、期待が価格に付加できた気がします。

情報が非対称の時代は、基本的に価値は積み上げではなく、その商品の期待から高く(上から)設定される気がします。全部が全部ではないですが、売り手から「この商品1万円!」と決められたら、買い手は、1万円に対して高い、安いと判断するしかなかった気がします。(もちろん、世間相場というものもありますが)

一方、情報が対称になった現在では、原価からの積み上げでの価値付けになってしまったと思います。売り手が「この商品1万円!」と決めても、買い手は「この商品の(原材料)原価1,000円じゃん。」という所から思考がスタートし、原価からの積み上げ判断になってしまいます。

ここに書いた「原価」にカッコ書きで「(原材料)」と書きましたが、原価厨の方が言われる原価は、往々にして原材料原価を指している気がします。

しかし、通常、原価と言われる場合、材料費だけでなく、製造に係る労務費(人件費)、経費というものも含まれます。さらに、その商品を販売するための営業マンや事務員の人件費、商品を保管する倉庫維持費用や運送費などの販売管理費も必要となってくるわけです。
また、商品が売れなければ、廃棄する必要があり、その商品自体の商品原価を費用として計上するだけでなく、処分費用もかかるわけです。

ただ…。

原価厨は、上に記載した

売り手が「この商品1万円!」と決めても、買い手は「この商品の(原材料)原価1,000円じゃん。」という所から思考

で考えてしまい、せいぜい利益率が原価から20%や30%程度しか許容幅がない気がします。感覚的に…。
でも、原価厨でない人でもそういう思考が少なからずともあるのではないかなぁと思う部分もあります。

でも、これでは製造メーカは、製造原価、販売管理費、処分費用などを賄えることはできなくなります…。

一方で、ブランド品などは、ブランド自体に価値があり、ブランド価値自体個人個人によって価値が異なるので、

「原材料の原価1,000円がなにか?買わなくても結構です。」

と言えてしまう気がします。

正直、すべての製造品がブランド品のような価値付けができるわけではなく、かつ、原価からの積み上げの価値付けでは製造はやっていけない…。

最終的に、世の中に残るのは、

ユニクロ等のファスト系、大量製造系商品(利益率でなく総額利益を追う)
ブランド商品系(利益を確保できる)
個人のクラフト系(利益度外視。個人の自己実現と薄い利益)
副業製造系(本業で利益を獲得し、副業では利益率が薄くても構わない)

の4軸になるのかなと思ってしまいます。
このへんかなり結論を省略して書いていますので、また時間を見て書いてみたいと思います。

原価厨とは突然沸いて出たものではなく、情報社会での情報が非対称から対象になったからこそ発生した事象だと思っています。



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