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SAPIXと日能研の比較 ⑰親の葛藤

中学受験の場合、どうしても親の関わりが必要となります。
直接は勉強を子供に教えることはないにしても、大体の内容を把握して、日々の学習がうまく回るように心を砕くことが多いです。
そんな親の心はテストの度にジェットコースターのように動くものだし、様々な葛藤を抱えるものです。
どこの塾に行っても親は葛藤するものだと思いますが、SAPIXと日能研では、一番親が葛藤した内容が違いました。

SAPIXの場合、「こんなにやらないと駄目?こんなにプレッシャー必要?」ということ。
家庭学習すべき内容の絶対量が毎回多いし、毎度のマンスリー確認テストや組分けテストでのクラス昇降のプレッシャーや、6年の毎度の授業での授業点によるクラス昇降や席移動のプレッシャーは本当に必要なものなのだろうか、とよく葛藤していました。そこまでして行かせたい学校なんてあるだろうか?と。
特に、上の息子が体調を崩した時には。

睡眠時間だけはどんな場合でも十分に確保していたので、睡眠不足ではないのですが、それでも息子は4年~6年まで年に一度は大きく体調を崩していました。おそらく直接の原因は過大なプレッシャーです。

体調を崩してまで頑張る必要はないのではないか、体が一番大切、と思って本人にそう伝えても、子供は目先のクラスが大事なのでどうしても聞き入れず、なかなか不調から脱出できませんでした。子供は驚くほど目の前の景色しか見えていません。

膨大な知識を頭に入れることやプレッシャーに強くなることも受験の成功には必要でしょうから、うまい仕組みだとは思うのですが、小学生にこんな試練を与えるのはどうなのだろうかと葛藤しました。


日能研の場合、一番大きな葛藤は、「このままで本当にいいのだろうか?」ということでした。これは、上の息子でSAPIXを経験していたからこその葛藤だとは思うのですが、SAPIXに比べて日能研は6年になるまでかなりの差をつけてののんびり受験モードなのです。

同じ4年生カリキュラムで比べると、日能研は質・量ともにSAPIXの半分以下です。まずここで、これで大丈夫だろうか?と葛藤します。
5年生になって、ここでギアが上がるのかと待ち構えていても、実際にはそうでもなく、ここでぐっとギアが上がるSAPIXカリキュラムと比べるとその差はもう追いつけないくらいに広がっています。
ここで、このままで本当に大丈夫?と葛藤が大きくなります。

6年生になって、日能研も急にぐぐっとギアが上がりますが、その時はてんやわんやで大変な反面、ホッと一安心だと思ってしまったくらいです。


これらの答え合わせとしては、なんだかんだ葛藤しても、SAPIXの学習総量とプレッシャーは上の息子が受験を勝ち抜くには必要だったと言えるし、日能研の一見のんびり受験に見えるようなカリキュラムは、下の娘の受験には必要十分でした。
結果的に、親は葛藤する必要がなかったのです。

親子が密接に関わりながら過ごす中学受験期間、親の機嫌がよければ子の機嫌もよくなりやすいです。
ですので、親はこんな様々な葛藤を絶対に子供に見せてはいけません。これが親の辛いところであり、いわば修行だと思います。この修行を頑張ることで、子供は安定した気持ちで学習に集中できるのだと思えば、やりがいのある修行ですね。
でも、それ以前に、塾を信じて、子供を信じて、必要のない葛藤をしなければよかったのかもしれないと思っています。


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