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xxnashimexx
たくさんお金があったら
命知らずの冒険家が
人骨が散らばる床を踏み越えて見つけた
忘れられた王家の墓の財宝のような
うなるほどのお金がぼくにあったら
一体何に使うだろう
壊れた街の再興に
暑い地球の再生に
人類の宇宙進出の夢に
暮らしを変える未来の技術に
あるいは
働かないという堕落した自由を
金に目がくらんだ愚かな女を
とろけるような快楽を
うなるお金で買うのだろうか
そのときにはきっと
今もほぼなくなりかけている慄きを
小さいころお正月にもらった千円への慄きを
もはや完全に忘れて
価値への無感動が心を支配するだろうか
だからそんなお金は
困った人にあげちゃって
残った分を家族や友達に分けて
いつもと同じおむすびを
ありがたがって食べるだろうか
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