記者が体験してみました!「ピクサーのひみつ展」で知るアニメ制作の舞台裏
見上げるほど大きなバズ・ライトイヤーの模型。そう、「トイ・ストーリー」のバズです。これは撮らなきゃ!! 思わず、美術担当記者の私・福田(30)も、周囲の人たちと同じように私用のスマホのカメラを向けました。私が訪れたのは、東広島市立美術館で開催中の「PIXARのひみつ展 いのちを生みだすサイエンス」(中国新聞社など主催)。会場には、おなじみのキャラクターの映像を動かしたり、模型を組み立てたりする体験型の展示がずらり。童心に戻って、いろいろ挑戦してみました。(文・福田彩乃、写真・荒木肇)
どんな展示?
「モンスターズ・インク」、「ファインディング・ニモ」、「カーズ」…。これまで数々の人気アニメ作品を手掛けてきたピクサー・アニメーション・スタジオ。そのリアルな映像や愛らしいキャラクターは、どうやって生まれるのでしょう。
今回の展示のテーマは、いわば「物語の舞台裏」。アニメ制作のポイントとなる八つの工程を、体験型の展示や模型で分かりやすく伝えてくれます。 会場は一部を除いて、写真撮影もOKです。
工程①モデリングでキャラのかたちを作る
早速、私が立ち寄ったのは、円柱や半球などいろんな形のロボットの立体パーツが散らばっている机。これらを自由に土台にくっつけて、映画「ウォーリー」をイメージしたロボットづくりに挑みます。大人のさがでしょうか、つい、どこかで見たことのあるようなロボットを再現しそうになります。いやいや、もっと想像力豊かに…。つい夢中になってしまいました。
ピクサーでのキャラクターづくりは、平面的なスケッチから始まります。スケッチを基に粘土の模型を作り、それをスキャンしてバーチャル上の3Dモデルへと変換します。この工程を「モデリング」と呼ぶそう。ここを出発点に、キャラは命を吹き込まれていくんですね。
工程②リギングでキャラに表情をつける
続いて訪れたコーナーには、何やらモニター付きの装置が。画面には「トイ・ストーリー2」に登場するキャラクター・ジェシーの顔が映っています。手元のつまみを操作すると、眉やまぶたが細かく動きます。例えば眉には、右、左、中央と動かせる場所が3つあります。アニメの中でキャラを自然に操るための工程「リギング」を体験できる展示です。
実際の制作現場では、キャラの顔や体にコンピューターで「動きの支点」を無数に設定します。支点ごとに、体のパーツの動く角度や連動する部分を決めるんです。まるで、仮想の関節や筋肉をつくり出すかのよう。顔だけで700以上の支点が必要になることもあるんですって!驚きです。
体験展示、まだまだあります
各工程ごとに、体験型の展示はまだたくさんあります!
残りの工程について気になる方は、以下のリンクを見てみてください。「楽しそう」「やってみたい」と思ったら、ぜひ美術館へ!