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塾に通わせても学力が上がらない理由

背景と主旨

 大手の進学塾に通わせ始めたのにうまく行かない。思ったように学力が上がらない、という話をよく聞く。
 「塾は競争環境を提供してくれる場として有効だが、わからないことを教わるという点では不完全で、家庭でのフォローが必要」だからである。
 以下では詳細説明と対処法を記載する。

何故塾に通わせるだけではうまくいかないのか

 簡単に言うと、個別の理解度に応じたきめ細かい指導をしてもらえるわけではないからだ。特別な才能やガンガン質問できるバイタリティがない場合、授業での説明や問題の解説でわからなかった所はわからないままだ。

 宿題に関しても小学生においては悪影響としているという調査(メタアナリシス)もある。わかる部分は宿題をやらなくてもわかるし、わからない部分は1人で取り組んでもわからないままだ。どちらにせよわからないことがわかるようにはならない。後者はわからないという不快感から嫌いになってしまう悪影響すらある。

 塾のカリキュラムは公立の小学校より進んでいる。学校の授業で基礎を教わり概念を導入される前に塾で教わるため、子供にとって完全な初見となる。しかも進学塾では導入もそこそこに問題演習にうつっていくだろう。導入でこけた子供が少数いても、そのために進度を変えたりはしない。

塾の活用方法:何をすればよいか

 ではどうすればよいか、家庭での親による予習と復習である。
  
 予習、やるべきことは新概念の導入である。塾の進度が学校の進度を大きく超え始めると、全く聞いたことのない概念や単語を塾でいきなり耳にすることになる。理解できる場合もあるだろうが、できなかった場合に塾の効用が著しく落ちる。そうならないよう、家庭で事前に簡単でも良いので新概念や単語を説明しておき、塾でぽかんと過ごすことがないようにする

 次に復習、宿題のフォローをしてあげる必要がある。上で説明した通り宿題はフォローなしだと学力を下げる要因になりかねない。塾で宿題をやってきたかのチェックをしてくれるところはあるが、授業時間に解説は行われるところはほぼない。よって子供が解けない問題は親がフォローする必要がある。

 宿題のフォローのタイミングも重要だ。進学塾なら宿題がそれなりの量が出ると思う。全てやらせた後に解説すると最初の方の難易度でこけている場合に無駄と悪影響が大きい。一部やらせてわからない部分があるなら説明して理解させた後に、続きの宿題をやらせ、さらにその確認/解説をすると良い

じゃあなんのために塾に通わせるのか

 上記を読んで、そこまで家庭でやるなら塾の意味ってある?と思った方がいると思う。だが塾には塾でしか出せないメリットがある
 それは競争環境の提供である。勉強をがんばっている同学年の子供がいて、テストという比較競争の場が提供される。これは公立小学校+家庭学習では提供できない環境だ。

 公立の小学校では(受験)勉強の話はしづらい。前の記事で東京は25%が私・国立進学と説明したが、それでも75%というマジョリティは公立中学進学だからだ。塾に行かないと孤独な闘いをすることになるだろう。

終わりに

 以上が「塾は競争環境を提供してくれる場として有効だが、わからないことを教わるという点では不完全で、家庭でのフォローが必要」とした理由とその対処法となる。

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