絵本レビュー「えびすさんと6人のなかまたち」
こちらの絵本レビューは、絵本の編集をしているチャックル店長の目線で書いたものです。ちょっと背表紙のデザインに興奮しているかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。
七福神ものがたり①
えびすさんと6人のなかまたち
中川ひろたか・作/井上洋介・絵
株式会社佼成出版社
まずは表紙から
タイトルの筆文字がいいですね
「6人」にもちゃんとルビふってあるところもポイント。
背表紙の色が変えてありますね。
実は背文字をセンターに合わせるのって製本する時に技術がいるんです。背表紙の色を変えてあるとズレてしまった時にすごく目立ちます。ここに感動。
そしてタイトルが手書き文字だと背表紙も手書きにすることが多いんですが、こちらはちょっと癖のある書体を使用。
えびすさん 6人 が赤で
と のなかまたち が緑
文字の色を変えたのってなんか意図があると思うんです。なんででしょうか?
背表紙にひっそりいる鯛がいい!
見返しは黄緑の紙にピンクで七福神の紹介
恵比寿
大黒天
福禄寿
寿老人
毘沙門天
布袋
弁財天
物語が始まる前から、めでたい気分になります。
縦書きなので右綴じです。
表に向けた時に狭めるが右にくるのが右綴じですよ。縦書きなのに上揃えじゃないんですよね。
本文はマット紙、筆で描いた絵にマッチしています。
文字が入る部分だけ四角く抜けているので
文章を先に作ったんでしょうね。
レイアウトを決めてから絵を描いたんだと思います。
七福神が歌う場面があるんですが歌のところは書体が変えてあります。憎い心使いです。
やおら
おともいたす
○○じゃ
という言葉が気持ちよく響きます。
意味がわからなくても口に出して心地よい文章です。
恵比寿さんが船に乗って
仲間を増やしながら旅をしていく物語です。
太い墨筆でダイナミックに描かれています。
舞台はずっと海の上なのに同じ色の海や波は無いところも素敵。
だって本当の海もそうだもの
声が聞こえてくるような神様たちの表情が本当に良かった。
七福神ものがたり①ということはシリーズもの?
読まなきゃぁ!
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