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絵本レビュー

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お気に入りの絵本を読んで、思いついた事柄をつづります。
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絵本作りのヒント「わたしのゆきちゃん」

読んだ絵本から見つけた作り方のヒントをお伝えします。 今回、紹介する絵本 タイトルが手描き文字 あったかい印象を受けますね。 顔がまん丸でプクプクした女の子が主人公 恥ずかしがり屋で引っ込み思案 みんなと一緒に遊びたいのに なかなか仲間に入れない でも、お友だちと楽しく遊びたいの 大丈夫だよって声をかけたくなります。 小さい頃の自分に読んであげたい そんな絵本です。 物語を作る時には、誰に読んで欲しいのかを探る必要があります。 あなたの気持ちを伝えたい人のことを、

絵本を作りたいなって思いながら何もできていない

きっかけがあれば動き出せると思うんですよ。 「絵本を作りたい」って心で思うだけじゃ、できあがらないです。 でも、なにかヒントがあればいいんですよね。 「こういうのはどう……?」 そんな問いかけで展開する絵本を紹介します。 こんやはどんなゆめをみる?ノラネコぐんだんシリーズで、大人気の工藤ノリコさんの絵本です。 5つ子のコブタがベッドに入って 今夜はどんな夢を見ようか?ってお話します。 「こういうのはどう……?」 それぞれの自分の見たい夢が出てくるんです。 工藤ノ

絵本レビュー「オレじてんしゃ」

6月3日は自転車の日なので 絵本「オレじてんしゃ」 自転車が主人公 発想が面白いです! オレと言いながら タイヤにもペダルにも顔が描いてあります。 タイヤの空気を入れるバルブにも 小さく顔が書いてあるところが可愛いです。 裏表紙に描いてあるのは? それは見てのお楽しみ。 見返しには自転車のパーツが描いてあり 見ているとワクワクしてきます。 見返しマニアなので いつもながらじっくりと見てしまいます。 サドルにくっついてる棒は シートポスト。 みんな名前があるんだよね

絵本レビュー「えびすさんと6人のなかまたち」

こちらの絵本レビューは、絵本の編集をしているチャックル店長の目線で書いたものです。ちょっと背表紙のデザインに興奮しているかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。 七福神ものがたり① えびすさんと6人のなかまたち 中川ひろたか・作/井上洋介・絵 株式会社佼成出版社 まずは表紙から タイトルの筆文字がいいですね 「6人」にもちゃんとルビふってあるところもポイント。 背表紙の色が変えてありますね。 実は背文字をセンターに合わせるのって製本する時に技術がいるんです。背

絵本レビュー「やぁだ!」

こちらの絵本レビューは、絵本の編集をしているチャックル店長の目線で書いたものです。ちょっと目線が違うかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。 ママに何を言われても やぁだ! と答えるウサギ坊や。 でも何かと理由をつけて結局やるんです。 言ってみたかっただけ。 そんな子うさぎが最後に一言だけ違うことを言うのがポイント。 可愛いよね。そうそう。ここできっとキュンとくるはず。 ママの言うことにはやぁだ! って言ってもママが嫌いなわけじゃないの。 小さな子ってなんでもイ

ねむくなってくる絵本

柔らかい色使いが素敵 寝かしつけに絵本を読んでいる方には 気になるかもしれない タイトルからして 「みんなおやすみ」だもの お布団に入ったものの いつまでも起きている子どもたちに 読んであげたくなる さあ、寝てくれ 早く寝てくれと 心の中で思っていると 敏感に察知されちゃうから 小さな声で ささやくように 眠気を誘うような声で おやすみなさい と声をかける みんな ねむったかな? と語りかける 色使いと言葉があたたかいので 読んでいる方も眠くなってきそう 子ど

知ったかぶりしてたことを思い出す絵本

ちょっと物を知っていると 知ったかぶりしたくなる うちの弟も小さい頃に 「月にウサギなんかいないんだよ。」 なんて生意気なことを言っていた。 「月にはクレーターがあってね。」 ってペラペラとしゃべりだすもんだから なによ それくらい私だって知ってるもん 対抗意識を燃やしたりして 図鑑を読んだり、望遠鏡を欲しがったりしたなあ そういえば望遠鏡、買ってもらったような気がするけど あれはどこへ行ったんだろう? すぐに飽きちゃって 親戚のところにあげちゃったかもしれない・

知るきっかけになる絵本

開いてみて科学絵本と知ってびっくり こんな可愛い絵なのに? とっつきやすく お月さまのことをどんどん知りたくなる内容 表情が可愛くて ゆっくり眺めてしまう お月さまみたいに 浮かんでいるのもいいかもね こう見えてもいろんなことをしているんだよ のんびりした口調で話が始まります。 こちらの絵本を通じて 絵本を作りたい人に伝えたい発想のヒント 伝えたいことをわかりやすく 勉強になる内容を もし君だったら? と簡単な言葉で伝える。 読んでいるともっともっと知りたくなってく

顔がにやけてくる絵本

やさしい表情のお月さまに惹かれて選んだ本 おつきさまひとつづつ 作:長野ヒデ子 私が仕事帰りに見かけて印象的だったのが 幼稚園くらいの女の子を 自転車の後ろに乗せたお母さん 疾走しながら 大きな声で歌を歌っていたこと しかもやけに上手♪ 女の子も楽しそうに歌っていて 通り過ぎたあとで 自然に顔がにやけてしまった この絵本もそんな雰囲気 お母さんとお話しながらの帰り道が ほのぼのと描かれている こちらの絵本を通じて 絵本を作りたい人に伝えたい発想のヒント 見返し

浮かび上がってくる絵本

9月に読もうと思っている絵本のテーマ 「月」 図書館になんかいい本ないかな~ と探しに行った時に 表紙の三日月に惹かれて ふと目に留まったのがこの本 めくってみると 動物たちのシルエット 良く見ると マットの黒にツヤの黒を重ねて 動物の顔や柄が浮かび上がってくる。 凝った作り 真っ黒な動物たちが ぼくたち おれたちは 誰でしょう? と問いかけてくる この発想が面白くて 何度も読んでしまった。 そして私の大好きな見返しは お月さまを思わせる濃い黄色!☽ 最初の

子どものお手本にならない絵本

いきなり、とんでもないタイトルにしてしまった。 今回ご紹介するのは お月さまにげた 作・絵:谷川晃一 まず表紙の書体が好き! 楽しさが伝わってくる。 私も絵本の打ち合わせをする時に、 いろんな書体でタイトルを作ってから見せる。 物語と絵のラフができてきたところで 書体のお話をすると、みなさん「はっ」とした表情になる。 本になるんだ!と意識する瞬間 書体って大事。 めくるとお月さま色の見返し ※見返しとは表紙の中側のこと この見返しが鮮やかな黄色だったので 「これ

にっこりわらって!絵本レビュー「おつきさまこんばんは」

おつきさまがいろんな表情を見せる可愛らしい絵本を紹介します。 表紙は眠っている赤ちゃんのような表情。 見ていると思わずにっこり笑わずにはいられない。 作者、林明子さんの描く絵本はどれもたまらなく素敵な表情をしているんだけれど、まさかおつきさままでとは! 笑った顔はもちろん、泣きそうな顔、あらやだわの顔。 ページをめくるたびに「ふふっ」と笑みがこぼれてくる。 時々、満月の夜には窓を開けて空を眺めてみる。 犬の散歩のときは、上を見上げながら犬に向かって 「きれいだねぇ」な

みんなとおなじじゃなくていいの   絵本レビュー「わたしはあかねこ」

自分で思うほど他人は人のことを見ていない。とよく聞くけれども そのわりに、お節介な言葉は耳に残る。 今回紹介させていただくのは じっと、こちらを見据えている赤い猫が印象的な表紙。 しろねこさんとくろねこさんの間に産まれた、あかねこちゃん 他の兄弟はしろ、くろ、ぶち、とら 自分ではあかいろが気に入っているのに どうしてあの子だけ? なんてことを言われてしまう。 他人と違うことを良しとしない。 ちょっと違うのはいいけど、あからさまに違うのは許されない。 心の中に違

照れ屋で意地っ張りの人に 絵本レビュー「そういうきみがすき」

今までで何人に告白したことがありますか? いきなりギョッとする質問。 これにすらすら答えられる人は、きっと恋愛に関して上手くやってきた人なんでしょう。 告白されたことはあるけど、したことはないなんて答えが返ってくるかもしれない。 なんて話は置いといて。 私は小学校の時、中学校の時、高校の時、大学の時 計4回 そんな中でストレートに好きって言葉を伝えられたのは1人しかいない。 「好き」ってなんだか恥ずかしくて照れくさくて口に出しづらい。 「愛してる」なんてもってのほか