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時計の歴史【腕時計ブログ】

時刻を知る道具の誕生

現代の私たちの生活には、腕時計、置き時計、壁掛け時計など様々なタイプの時計があります。

また時計の形をしていなくても、炊飯器や洗濯機の中にはタイマーが内蔵されているし、駅や町中、飲食店の中にもたいてい時計が設置されているので、どこでも手軽に時間を知ることができます。

日時計

しかし太古の昔、人類が「時間」という概念をもち、その時間の経過を目に見える道具として作られたのは、紀元前4000年のバビロニアで作られた日時計が人類最初の時計と言われています。

日時計

太陽が作る影の長さと方向で時間の経過を知り、目盛りを刻むことで時間を単位で計ることもできました。しかし残念なことに太陽が出ていない夜や、雨の日には使えず、また季節によっても尺度が変わるという欠点を持っていました。

水時計

続いて、自然の影響を受けない水時計が紀元前1550年、エジプトで誕生しました。水が容器を満たす時間が同じことを利用したもので、水の重さを動力としたメカニズムが考案され、それを司る部品として歯車が使われました。

西暦660年には、天智天皇の命により日本でも初めて、時を知る道具として、四段の水槽の上段から順々に水が落ち、最下段の水槽の水量が増すと、浮かべてある矢が浮き上がり、矢の目盛を読むことで時刻を知ることができる「漏刻」という水時計が作られました。

近江神社の漏刻

その他にも、砂時計、ランプ時計、香時計などが登場しますが、画期的だったのは13世紀にヨーロッパで発明された機械式時計です。初期の機械式時計は、教会や町の中心に建つ高い塔に設置され、人々がどこにいても時刻を見ることが出来たり、また鐘の音と合わせて時刻を知らせたりしました。そして、この機械式時計は、その後の人類の歴史に大きな影響を残すことになります。

ヨーロッパの時計塔/教会の時計

町や村にひとつだけ設置された時計は、その後、何世紀もかけて小型化され、クロックや柱時計として屋内に置かれるようになり、また懐中時計として個人で所有することも可能になりました。さらに産業革命や世界大戦を経て、腕時計として広く一般大衆に浸透するようになります。

現代の時計

今日私たちが使っている腕時計の大半は、機械式かクォーツウォッチのいずれかです。1969年に登場したクォーツウォッチは、文字盤と針は機械式腕時計と共通ですが、ICや超小型モーター、リチウム電池などが使われています。機械式よりも精度が高く、しかも量産しやすいため、瞬く間に世界中に広まりました。

クォーツウォッチ

最近では、標準時電波やGPS信号の自動受信が可能な電波時計GPSウォッチも低価格で発売されるようになりました。700年以上の歴史を誇った機械式時計の市場は、このクォーツウォッチの台頭に失速し、1980年代には絶滅の危機まで囁かれることになりました。

この、いわゆるクォーツショックの最中、1988年に誕生した機械式腕時計ブランドが、クロノスイスです。次回は、その機械式腕時計について紐解いてみたいと思います。
次回に続く・・


11/24 次回の記事upされました!

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ブログ著者:菅野たけし


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