「胸騒ぎ」のこと。

イタリア旅行で知り合った、デンマーク人とオランダ人の一家。
意気投合し、数か月後に、デンマーク人一家はオランダ人一家の家に招かれ、数日滞在することに。
そこでデンマーク人一家が体験する、恐ろしい出来事…の話。

前情報なしで鑑賞。
この2家族が中心で物語が回っていくんだな、となってから、
もうなんか不穏で落ち着かない。
風が強くてドアやガラスが音を立てるのとかも落ち着かないというか、怖い。
音楽もなんか煽る感じで怖い。
で、やっぱり色々不穏になってくるので、人は動物的な勘というか、
そこはかとなく感じる違和感、虫の知らせ的なものとか、気付かないふりしちゃダメなのね。

良く知らない外国の人のうちに3泊くらいする、っていう気持ちが良く分からないけど、まぁ、良い人そうだったしね、イタリアでは。
でも最初からパトリックの目には狂気が宿っているのが見えるので(役者さん上手い)
そういう勘や、そこはかとなく感じる違和感は、なるべくなら無くさないように生きていきましょう。
「お医者さん」とか「外国の友人」とか、そういうステータスの人と付き合うことにメリットを感じるのはおそらく万国共通だけど、人間性の前には無駄なステイタスなので、そこで選択するのはやめましょう。
という教訓に満ちた話だった。

ぬいぐるみはね、持って出かける時はちゃんと無くさないようにバッグやリュックに入れること。
私も良くぬいぐるみ持って出かけるから。

胸糞悪い結末、と言われていますが、
「ミッドサマー」以降、こういう胸糞悪いけど、「待って、その結末、理解が追い付かない」って
作品増えているので、許容範囲というか、「北欧ホラーって、そんな感じよねー」でやり過ごせる範囲。
もっとエキセントリックでも良かったくらい。
前情報があると構えるので、ない方が純粋に怖くて面白いかも。
ラストは色々ツッコミ入れたくなる、まぁ、今の世の中で、ある意味斬新な終わらせ方でした。

どんどんオランダ夫婦に付け入ってこられるデンマーク夫婦のことを、
NOと言えない日本人、と揶揄するレビュー多いけど、
そもそもデンマーク夫婦には「察してよ」って思っている節があって、
それが傲慢だな、と思う。
察してもらえないの分かってるのに、ホントは早く立ち去るべきなのに、まだそれが通じると思っているところが、デンマーク夫妻、嫌い。
ベジタリアンで肉は食べないなら、そう何度でもはっきり言えばいい。
数か月前に聞いたことなんて、みんなそんなに他人のこと覚えてないよ。
シャワーだって、「ごめんねー、お借りしてるよー」とか、こっちから一言言えばいいのに。
「察して欲しい」とか、そんなの通じない世の中ですよ。
そんなに世の中優しくないですよ。
オランダ夫妻から言われた「選択のチャンスは与えたのに」って、こういうことですよね。
自分がその空気を作っていて、そのスタンスが、余計にことをややこしくする。
それはね、ちゃんと自覚して主張しないとダメだな、と自分にも思いました。

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