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ハッチが教えてくれたこと-尊い絆と愛・❷-

2022年11月


あの日から4ヶ月経った。
そんなに、とも
まだ、ともつかない気持ち。

それ は突然だった
あの二日間のことを書き終えた日から3日後のことだった


7/1 午前2時すぎ
ハッチくんは空へ還った



前日の昼過ぎ、入院先の病院で容態が急変した、という知らせを受けた際
私は全く信じられずただ呆然としていた

なぜなら、その日の朝も気丈な彼と私はお話ししていたから・・




彼はとても前向きで、自分の体調を全く不安にも思っておらず
「負けないよ!自分に!」
と心強いメッセージをくれていた


なのに



私は
早朝に目覚め、その報告を見た際
色々な想いが巡り、冷静に受け止めきれていない自分がいた


ソラネコに来てからのハンガーストライキにより
ハッチくんの体重は2キロまで落ちていた。

食べられるものも液状のものにはなるが
好きなフードの味を聞いた時

「まぐろとかより、えびとかホタテみたいのが好きかも。」と言っていたので、
その様にお伝えして準備してもらっていた。


その後、少しだけ口にできていた「ちゅーる」も
やはりホタテ味しか食べないとのことだった
それを聞き、可愛いなぁ と私は微笑ましく思っていた。

しかし、その痩せこけた体は食事も水分も吸収できず
おばあちゃんと会った翌日から
片道1時間かけて病院へ点滴に通っていた。


今回は全く抵抗することないハッチくんでした



6/29
脱水が解消されないとのことで
1泊だけ入院させることにした、との連絡がきた。


入院の翌朝、私はハッチくんに現在の様子を聞いた。

この時は
これが彼との今世での
最後の会話になるとは知る由もなかった。

===

ハッチくん一晩入院、大丈夫だったかな?
→うん、大丈夫だよ!心配かけたかもしれないけど、ぼく頑張ってる!

体は少し楽になった?
→うん、どうなんだろう…
でもなんとなく楽になってる気はするよ。

今回の入院で、体のベースが少し整ったら食べても吐かないで
ちゃんと栄養になるはずだからね
→うん、そうだね。食べたいし、ホタテ味美味しいよ!

何か食べたいものはあるの?
→うーん、元々はカリカリも好きだったけど
まだ無理だよね。

そうだね、まだ ちゅーるとかスープ状のものじゃないと無理かなぁ。
カリカリした食感が好きなのかな?
→そう、カリカリしたの好きだよ!

今日の夕方、お二人が迎えに来るから、それまでちょっと寂しいかもしれないけど
頑張ってね!
→うん、大丈夫。不安になんて思ってないし、
ぼくは強くなってるよ!

ハッチくんが生きたい、って思ってくれたこと
私は本当に嬉しいし、
ハッチくんとおばあちゃんのお話をたくさんの人が読んでくれて
みんな応援してるからね!
→うん、負けないよ!自分に!

もうあなたは絶対大丈夫。
また元気になっておばあちゃんに会えるから
→うん、ありがとう!

じゃあまた、お話しようね!バイバイ!


【 死 によって肉体を失っても 魂 はあり続ける、だから物理的な部分意外は、何も変わらない】

これまで
自殺についての自論を述べる際、また
亡くなったペットさんと話した際に発信してきた
私の実体験から得た、この答え が
全く意味を失ったように思えた

そのくらい辛い別れだった


私は
会っても触ってもいないハッチくんに対して
こんな気持ちを抱くなんて思ってもみなかった



ハッチくんとわずか数日間ではあったが
しっかりと話し、彼がみるみる変化する様子を目の当たりにして
そして、ハッチくんとおばあちゃんから
こんなにも素晴らしい愛・尊い絆というものを教えていただいた

だからこんなにも苦しいんだ、と
後になってから気づくことができた


私はこの時点では、上記の様な言葉でも表せない
混沌とした思いの中にいたから・・



私は多忙だったこともあり
ハッチくんの死について 受け止めない、
というより全く考えない10日間を過ごした

11日目
ようやく一度立ち止まり、あの日に向き合ってみた

渦巻いた想いは
ようやく息を潜めて

感謝の気持ちだけが残っていた




私は、たった7日間の間で一生忘れられない経験をさせてもらえたこと
ここで得た学びを今後、必ず活かして行くこと
そこに対する心からの感謝を
次に彼とお話しする際にはしっかりと伝えたい、と
当時の私は語っていた。



私は亡くなった子とも死後30日以降であれば話すことが可能だ。

ただ、ハッチくんに関して
30日を過ぎたその後も
ずっとセッションに踏み切れずにいた。

色々な想いは、すでに昇華されているはずなのに
私は会ったこともない、触れたこともないハッチくんに対して
我が家の飼い猫とも違う複雑な愛情が芽生えていたんだと思う。


2022年11月某日
ハッチくんが虹の橋を渡って4ヶ月が経ち、ようやく私は
ソラネコせたな のお二人に了承を得、お二人が伝えたいメッセージを受け取り
ハッチくんとお話しすることにした。
私は彼と潜在意識で繋がってお話しする前から
もう涙が堪えきれなくなっていた。

ハッチくんを呼び出し、
【ハッチくん、こんにちは。覚えているかな?】
そう言うのが精一杯だった


「うん、わかるよ。来てくれてありがとう。」
彼はとっても朗らかに答えてくれた。


ハッチくんが亡くなってから4ヶ月経って・・・
やっとお話ししに来ることができたよ。
今はどう過ごしてるの?
→うん、ぼくは毎日穏やかに過ごしているよ。
体も楽だし、痛みもないし、とても過ごしやすいんだ。


わーこさんからのメッセージを伝えるね。
『ハッチと出会えて良かった。ありがとう』って
→うん、こちらこそだよ。だって二人がいなかったら
ぼくはおばあちゃんに会うことも叶わずに、
(精神的に)苦しんで死んでいったと思うんだ。
だから何も後悔なんてしないでね。
ぼくも出会えて良かったし「ありがとう」しかないんだよ。本当に。


わーこさん、喜ぶと思うよ。
→そうかな、本当に嬉しかったんだ。

かずさんからのメッセージは
『ほんとに、色々あったけどソラネコせたなにきてくれてありがとう!
ハッチにとっては辛い思いばかりだったかもしれないけど、自分たちはハッチに会えて本当に良かった!』
→うん、本当によかった!


『もしかしたら今は、好きなときにおばあちゃんの近くに行けてるのかな?』
→うん、ぼくはいつもおばあちゃんを見守りに行ってるよ。
好きな時に好きなだけ一緒にいられるのが幸せなんだ。


それはそうだよね!
→うん、多分ぼくが居るってわかってくれてると思うよ。
話しかけてくれるんだ「はっち、今日も居るのかい?」って。



私はハッチくんとおばあちゃんの間に流れる
ものすごい愛を感じ、更に号泣していた


『もし生まれ変わるときがきたら、また来てね。ハッチに会いたいよ!』
→そうだね、また今度生まれ変わるときはソラネコに行けるといいな。
年寄りのぼくじゃなくて可愛い子猫の方がいいかな?


どんな年でも姿でもいいんだよ。
→ありがとう。ぼくだってわかる合図をそれまでに決めないとね!


そうだね、ゆっくり考えようね。
※次ハッチくんが生まれ変わるのは5年程後になるでしょう。
その辺りも理解した上で、次おばあちゃんのところに戻ることは難しいとハッチくんは知っています。
なので、ソラネコに行けることを自ずと希望していました。


私は・・やっぱり最後に話した時(亡くなる前日の朝)ハッチくんはとても気丈にしていたけれど
体が回復して行っているわけではなかったことを・・
わかってあげられなかったことを
とても悔やんでいました(ここから私はこれ以上話せなくなっていた)
→泣かないで。仕方ないことだったんだよ。
だってぼくの体は弱っていたし、その治療をしてくれただけのことでしょ?
ぼくも自分の体がそこまで弱っているって思えなかったんだ。
元気になって、おばあちゃんに会うことだけを考えていたから。
だから、誰も悪くないし、責めないで、自分を。


ありがとう・・・
ありがとう と ごめんなさいをずっと伝えたかったの・・・
→うん、わかってたよ。だからもう泣かないでね。
ぼくだってあなたに感謝でいっぱいだったんだよ。
あなたが話してくれなかったら  
(※おばあちゃんに会いたい、ということをソラネコのお二人に という意味)
ぼくは生きる希望もなく、辛い気持ちのまま死んで行ったんだから。
おばあちゃんに会うきっかけをあなたが作ってくれたこと
本当に感謝してるんだよ。



私はもう涙と鼻水でぐちゃぐちゃになってしまって
声を出すことも苦しくなっていた。

やっと言えたのが

(そう言ってもらえて)とっても救われます。
→どういたしまして。話せてよかったです。



最後に、かずさんとわーこさん、おばあちゃんにメッセージはありますか
→うん、本当にぼくを見放さないでくれてありがとう。
二人に出会えたこと、ずっと忘れないし二人のことずっと応援してるよ。
カレンダーにも載せてくれたんだね。恥ずかしいな。 
(※ハッチくんにソラネコせたなのカレンダーに掲載された写真のイメージを送っていました。)
でも、おばあちゃんとの写真もあって嬉しいです。
二人の活動を応援してくれる人がたくさん増えるように
ぼくもお手伝いできたらなって思っているよ。
何か恩返しがしたいと思ってたんだ。だからなんでも言ってね!


実際に[ソラネコカレンダー2023]に掲載された写真


おばあちゃん
いつも、もう一緒だからぼくは前より嬉しいし、寂しくなんかもないよ。
おばあちゃん、体が辛いのかもしれないけど、ぼくが側にいるからね。
安心してね。
毎日話しかけてくれてありがとう。
ぼくも実はおばあちゃんに話しかけてるんだよ。
寒くなってきたからあったかくしてね。 
                 ハッチより


今日はたくさんお話ししてくれてありがとう。
またお話ししにきてもいいかな?
→もちろんだよ!いつでも大歓迎だよ!また会えて嬉しかったよ。

今日のお話しはすぐにお二人に伝えておくね。
→うん、よろしくね!

今度はこんなに泣かないでお喋りしたいと思うよ。
→そうだね、明るく元気にお話ししようね!またね!

=====

最期を迎える前夜、暖かい腕に抱かれ穏やかな表情のハッチくん


以下、ソラネコせたなのお二人への報告文


最初から明るく爽やかに話してくれたハッチくんとは対照的に
私はハッチくんと会う前から涙が止まらなくなってしまい、ぐちゃぐちゃの状態でセッションしていました。
ハッチくんは生きていた時よりも快活な話し方で
おそらく若い青年期の時代の状態で来てくれたんだと思います。
(お空の子は自分の一番好きな年齢の状態で話に来てくれます)
20分ほど話したような気がするのですが一瞬のことのように感じました。
おばあちゃんの側に好きな時に居られて、おばあちゃんもそれを感じてくれてるようで、ハッチくんは本当に幸せそうでした。
お二人とおばあちゃんへのメッセージ、そして私へのメッセージの部分では
ハッチくんからのものすごい愛で
涙と鼻水がすごいことになってしまいました。
「本当にぼくを見放さないでくれてありがとう」
この部分は、ソラネコに来た当初、飲まず食わずで反抗し
唸って、怒ってばかりいた自分を見捨てずに
私のセッションに結びつけてくれたことへの
深い感謝が伝わってきました。
そのおかげでおばあちゃんにも会えて、
また会いたいから自分は生きたいんだ、と
そう思いながら迎えられた最期は、決して辛いものではなかったと
だから恩返ししたいんだ、というハッチくんの温かい想いが伝わってきました。
おばあちゃんへも、おばあちゃんへのメッセージだけではなく
よかったら今回の話全体をプリントアウトして施設や娘さんのところにお送りいただければと思います。

ハッチくんが亡くなってから、ずっと胸につかえていた気持ちを
私はやっと伝えることができました。
本当にありがとうございました。

====

私とハッチくんの4ヶ月ぶりの再会は
お互いに愛と感謝が溢れ出していた

何度読み返しても
同じだけ涙が溢れてくる

私はアニマルコミュニケーションを通して
心が震えまくる感動的な映画を観たと同等か、それ以上の体験を、
今回だけでなく
何度も何度も味合わせてもらっている

こんなに幸せな仕事に巡り会えたことに心から感謝しているし
沢山の方にアニマルコミュニケーションの素晴らしさを知って欲しいと思う

そして、多くの方にこの真実の物語から
動物と暮らすこと、そしていずれ別れてしまうこと は
決して楽しいことばかりでも 
辛いことばかりでもない
こんなにも大きな愛を与え合える
素晴らしい経験ができることだと受け止めていただければと願う


ハッチくん
また、お話ししようね。






あとがき

私の拙い言葉では表しきれない程の感動を、
沢山の皆さんと共有したくて
そして、アニマルコミュニケーション自体を
「怪しい」「信じられない」等、おかしなことのように感じていられる方や
まだアニマルコミュニケーションを知らない方にも
事実として、この奇跡を知っていただきたく
私はこのお話をシェアしました。

そして同時に
高齢者がペットを飼うことの難しさ
本来離れなくても暮らせる仕組みがあったら、と…
今後人口の半数が60代以上になろうとしている日本において、
今後の自分自身を含めて考えさせられる事例でしたので
ここから、ペットという家族とより長く暮らすことができる
老後を考えるきっかけとなったり
意見し合える場を設けたり、何かの形に発展できればと願います。

アニマルコミュニケーターとしての可能性を私はまだ探っている途中ですが
多くの方に、私たちの存在意義を感じていただけるような
活動をしていきたいと思っています。

保護された動物、問題がある子とのセッションは
本当に私の人生に深い学びを与えてくれています。

このような機会を与えてくれた
たくさんの保護猫を抱える【ソラネコせたな】さんにはとても感謝しています。

少しでも協力したい、と思っていただける方がいらっしゃいましたら
是非ご支援をお願いしたく
ソラネコさんからのメッセージを最後に記載させていただきます。



《ソラネコせたな・かずさんより頂いたメッセージ》
現在、里親募集中の子猫たちも続々とワクチンや駆虫、
そして成猫たちも誰かが治ると誰かが体調崩すというルーティンで、病院通いの日々です。
(※せたな町に動物病院が無い為、八雲町まで片道約1時間、車を走らせなければなりません)

今は募金箱を置いてくださるお店も増えたので、それを医療費に使わせてもらっています。
寄付や募金は、みんなの大切なお金が少しずつ貯まっていって大きな力になっているので保護猫たちを救っているのは自分達の力だけではないと僕は思ってます!

みんなの想いが形になって、それを引き継いで、動いてるのが自分達なので
関わってくれているみんなの力で保護活動は成り立っています。

ソラネコせたな Instagram

                      2023.7.1  ハッチくんの命日に 


#創作大賞2023

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