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「三千円の使いかた」の先に膨らむ想像

話題の「三千円の使いかた」を読んだ。
最近、お金の勉強をちょこちょこしており、書店で見かけて気になったので読んでみた(メルカリで購入)。

(以下、ネタバレあり。)

この物語は、誰しも共感できる部分があるように思った。
それぞれの登場人物のお金にまつわる悩みやモヤモヤ、前向きな取り組みなど共感ポイントが多すぎて一気に読み終えた。

小説と状況は違うが、私も奨学金を借りて大学に進学し(既に完済)、奨学金に対してはいろいろと思うところがあったので、「奨学金」という言葉は今でも耳障りの良い言葉ではない。その言葉と共にドロドロとした感情や記憶が蘇ってしまう、自分にとっては黒い言葉だ。
(奨学金のおかげで県外に進学できたので感謝はしている)

だから物語のクライマックスに奨学金の話が出てきた時は嫌な気持ちにもなったが、それくらい世の中のリアルを取り込んだ小説なんだと思う。

物語の最後、美帆の両親・祖母のお金の使いかたには驚いた。
「自分が美帆だったら?」と考えたらモヤモヤした。
「自分への結婚祝いのお金を夫の奨学金の返済に充てる」ことにはなかなか納得し難いし、自分の両親や祖母がそこまでしても相手の両親が有り難がる様子は全く思い浮かばない。
むしろ、あの人たちは何も感じないのではないだろうか。
お金に関する価値観が、全く異なるのだから。。。
それでも大丈夫か?と美帆に問いたくなった。
お金の価値観は人生の価値観に通じると思う。
そこが全く異なる人たちと家族になるのだ。
結構、いやかなり大変だと思う。
今後、お金の無心もされるのではないか?
お金は家族の関係に大きな影響を与える。
いろいろあって、美帆自身の家族の関係も悪くなってしまわないか・・・?と物語の先をいろいろと想像してしまった。

そんな風にあれやこれやと想像が膨らむくらい、リアリティのある内容で面白い本だった。

こういうお金にまつわる小説はあまり読んだことがなかったが、面白いし勉強にもなるのでこれからちょこちょこ読んでいこうと思う。

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