下剋上独身婚活戦記【第3話】メッセージ
吾輩は独身男性である。交際経験はまだ無い。どこで人生を間違えたのかとんと見当がつかぬ。心当たりが多すぎるからだ。
前回の実験の結果、CTRが思った以上にあることが分かった。とはいえCTRを上げることに意味はない。メッセージを送り、デートのアポを取り付け、交際までもっていかなければならない。
正直、気が重い。ここで気が重い理由を深掘りしてみよう。
まずは工程がたくさんあるように見えることだ。これは前回と同様、タスクを細切れにすれば問題ない。
しかし、他の理由はなかなか厄介だ。一つずつ潰して行こう。
まず考えつくのは拒絶への恐怖だ。ここは認知行動療法の手法を使おう。敢えて合理的に考えうる最悪を想定するのだ。そして落ち着いて考えてみると、相手のよくわからない地雷を踏み抜いて無視されたりブロックされたりする位しか、メッセージ段階での最悪は思いつかない。なので、この拒絶への恐怖はきっと過去の幻影だ。少し親の機嫌を損ねると無視された、子供時代の傷つきが作る見せかけの恐怖なのだ。
逆にうまくいった時の不安要素を考えよう。デートに使える店がわからない。これは調べたり、あるいは友人に教えを乞えば良いし、あまり行ったことのない街でのデートだったら「土地勘ないんだよね〜」と正直に言えば良いかと思い直した。土地勘がないところでもパーフェクトに店を知っていてほしい人とは仮に付き合っても苦労しそうだし、断わられたほうがお互いにとって良いだろう。もちろんリサーチはするが。
最初にどう声をかければ良いかわからない、というのも考えものだ。ここは似たジャンルからのアナロジーで考えよう。採用面接ではだいたい自己紹介から始まるが、何を言うかはだいたい事前に考えておくものだ。つまり、この恐怖は準備不足による恐怖であり、何を話すか最初に決めておくことで軽減できるはずだ。
よし、パッと目につく懸念は全て潰した。いざ、勝負だ。
今回の詳細はだいぶ直接的なので有料部分に記載する。
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