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股関節の痛みについて


股関節の深部筋と神経の分布


 股関節は、図に示したように大腿骨の頭と骨盤の窪みの部分が組み合わさって作られる関節です。
 この関節は、私たちが歩いたり、走ったりするときに大切な役割を果たしています。
 運動範囲が大きな関節なので、周囲をいくつもの筋肉やじん帯で支えています。
 また、関節内は関節液で満たされていて、摩擦のないスムーズな動きを実現しています。
 他にも関節に栄養を供給するための血管や筋肉を動かすための神経が周辺を取り巻いています。
 しかしこの関節にトラブルが起こると、日常生活に支障を来すような痛みが出てしまいます。
 主な疾患としては、変形性関節症、脱臼、大腿骨頭壊死、滑膜炎、関節リウマチ、骨折、股関節唇の損傷、などがあります。
 また、股関節の不具合は間接的に膝の痛みや腰痛を引き起こす元になることもあります。

 当院に股関節の痛みを訴えて訪れる患者さんの多くは、原因不明、あるいは軽度の変形と診断されている方です。
 立っている時、あるいは歩いている時などに痛みがあり、日常生活に支障を来していらっしゃいます。
 美容師、理容師、歯科医、歯科衛生士など片脚に重心が偏りがちな職業の方にも多く見られます。
 触診上、顕著なのは患側の殿部の筋肉群(特に深部)の張り(凝り)が強く、また可動域に制限があります。

 治療は、まずその凝り固まった筋肉の緊張を充分に弛め、可動域の調整を行います。また、大腿骨の付け根の部分の出っ張り(大転子)が、健側に比べ、患側のほうが外側に突出しているように見える方もいて、その場合は、そちらも補正して行きます。

 また、それだけでなく遠因として背骨の歪みによる不良姿勢、重心の偏りが根本的な原因になっていたり、逆に股関節の痛みをかばうことによる身体の歪みがみられる場合があります(というより、かなりの頻度で起こっています)。
 その場合は、背骨の周囲の筋肉の張りを緩和させ、一つ一つの椎骨の可動域が回復するように操作していきます。

 そのため、股関節の痛みや不調を感じた際は、単にその部位だけに目を向けるのではなく、全体的なバランスや関連する部分もチェックし、体全体の調和を取り戻すことが求められます。当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた「オーダーメイド」の施術を行い、快適な日常を取り戻すためのサポートを行っています。痛みや不調でお悩みの方、一度当院にご相談ください。

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