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【あくたの死に際】消費することばっかり上手くなってさ

土曜日、夜20:37。ハイボールと共に。

 お久しぶりです。蝶子です。
私は今ハイボールを煽って、煽って、どうしても書きたくなって書いています。酔っているからこれまで以上に駄文かも。でも、読んでもらえると嬉しいです。

 こんな酔っ払って、ろくにタイピングできないのに何かを書いているのは全部全部『アメトーーク』で紹介されていた『あくたの死に際』を軽い気持ちで読んだせいです。木曜日に読んだあの漫画がずっと残っています。

独り身なんて怖くなくて、どうしよう

 今日、前職の同期とご飯を食べてこんな質問をされました。

「今年25歳になってアラサーだけど、怖くない?
ずっとこの先も結婚せず独り身だったら怖くない?」

 私はそんなこと考えたことないな、怖くないなと思いました。そんなことよりも好きなことの一つもできずに、何も成し遂げずに死んでいくことが怖いと思います。今の自分が未来の自分に「どっかで野望も、やる気も全部折れちゃったんだな」とがっかりすることが怖いです。

 いつからか誰かを応援することや消費することばかり上手くなっていたような気がします。昔はアクアとかいう名前の存在しない歴史上の偉人の伝記を書いたり、ビーバーがくまの兄弟のために橋をつくる絵本とか、いろいろ作っては例え評価されなくても産み出し続けたのを覚えてます。でも年齢と共に創作とは評価がつきものであり、才能と言うものがあるのだと知って、才能の持たない自分を守るかのように距離をとりました。それでも、人が創ったものが好きだから消費や応援と言う形でずっと近くに居ました。

 社会人1年目の秋。繁忙期が終わり、上司に休むように言われて足を運んだ公園の中にある美術館。そこで飾られていた絵が創作行為と私の間にあった距離を縮めてくれました。タイトルは「風」とついた気がします。とくかく黄色くて、シンプルな絵だったと思います。見た途端、風が吹き抜けたのを感じました。毎日毎日生きるための仕事をする中で私の口元に充満していた二酸化炭素が大気へと流れていきました。

 やっぱり絵には、音楽には、文章には、人が産み出したものにはエネルギーがあります。それって本当に尊くて素敵なことだと思います。大学時代の教授に「誰かを感動させたい、何かを伝えたいなどはすべて自己満だ」と言われました。本当にその通りだと思います。でも、出会うはずのなかった誰かの人生に少しでも触れられたのなら、それはまるで宇宙にある星の光が何億光年かけてこの地球に届くようなロマンスがそこにはあると思うのです。私はそれがしたいです。才能もないけど、勇気もないけど、確かにしたいと思います。

こんなにも押したい背中ってあるんだね

 そんな私が一昨日読んだ『あくたの死に際』。

 この作品は順調に社会人生活を送っていた31歳・黒田マコトが勤めていた会社を休職するところから始まる。散歩中にかつて大学の文芸部で一緒だった小説家・黄泉野に再会し、再び小説を書く。安心安定が保証された会社人と一世一代の大博打である小説家という相反する選択肢に板挟みになりながらも、一度走りだした筆を止めることが出来ない男の物語です。

 黒田の挑戦に立ちはだかる何かが現れたとき、彼自身が元居た場所に引き返そうとする度に、その背中を押したくて叫びたくなりました。きっと彼の背中には何かを作りたくて、でもいろんな理由で諦め逃げた何人もの人間の腕が伸びています。そのまままっすぐ走って行けと応援しています。

 君が突然会社に行けなくなったこと。そのタイミングで黄泉野と会ったこと。黄泉野が君に書いてほしいと思っていること。すべてが君を味方している。振り返るな、君には確かに追い風が吹いています。

コンテンツ紹介:椎名林檎『人生は夢だらけ』

 酔いが醒めて正気に戻るのが怖くて、レポートの締め切り前のように書いたこのnote。きっとひどい内容でしょう。でも、久しぶりに楽しかったような気がします。

 椎名林檎の『人生は夢だらけ』の歌いだしである「大人になってまで胸を焦がして 時めいたり傷ついたり慌ててばっかり」、「この世にあってほ欲しいものを作るよ」。このフレーズがとても好きです。

 周囲がやれ25歳だ、やれ結婚がなんだと騒いでいる中で、私は近所に落ちているスニーカーが遠目で見るとすっごい猫に見えるとか、最近読んだ『プラネテス』とTHE BLUE HEARTSの『月の爆撃機』が繋がりを感じるとかそんなことばかりに心と頭を使っています。実用的なことをせず、存在の危うい誰かに向けて駄文ばかり書いて、くだらないことばかり空想しています。

 こんな時間全て無駄に終わるかもしれません。私はエンタメコンテンツを活用したビジネスに従事している会社員です。好きなものに関わりながら、一定の賃金を貰えるバランスの取れた居場所に落ち着きを覚え、かつてのように創作意欲をすっかり失うかも。

 でも、「こんなものが世の中にあったら」を形にしていきたいと思います。私はまだ自分の人生に子供のような夢を見ています。

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