尺度の信頼性
尺度開発において,尺度の「信頼性」と「妥当性」の検証は必須となります.
例えば・・・
私が学生の計算能力を調べるテストを作成したとします.
もしそのテストに国語の問題が含まれていた場合,正確に計算能力を調べることができませんよね.これは「妥当性の低い」テストとなります.
他方,同レベルの計算能力の学生に対して,私がテストを配布した場合と他の先生が配布した場合とでテストの点数が違えば,それは「信頼性の低い」テストとなります.
通常,信頼性は0〜1の値をとり,通常0.7以上のときに高い信頼性と判断されます.
今回,リハビリテーション領域でよく使用される以下4つの「信頼性」についてまとめておきます.
1)級内相関係数(Intraclass Correlation Coeficient,ICC)
ICCには3つの分類がある.
①ICC(1,1),ICC(1,k):検者内の信頼性
例)1人の先生(検者)が同一の学生に4回同じテストを実施した場合の信頼性
②ICC(2,1),ICC(2,k):検者間信頼性(絶対一致をみている)
例)4人の先生が同一の学生に同じテストを実施した場合の信頼性
③ICC(3,1),ICC(3,k):検者間信頼性(相対一致をみている)
注)ICCは,間隔尺度・比率尺度のデータにのみ適用される.
2)クロンバックの α 係数(Cronbachís coefficient alpha,α係数)
ICC(C, k) と同じ.
例)10項目(各項目において10点で採点)からなる心理テストを作成した場合(合計100点満点).
もしα係数を高くしたい算出したいなら・・・
①心理テストの合計点の分散を大きくする(被験者間のテストの点数をバラバラにする)
②各項目の分散の合計を小さくする(被験者全員が同じ様な回答をする)
③項目数を増やす など
3)Cohenの一致係数(Cohenís coefficient of agreement,Cohenのκ係)
順序尺度・名義尺度のデータに適用される.
4)Kendallの一致係数(Kendallís coefficient of concordance,KendallのW係数)
順序尺度・名義尺度のデータに適用される.
【文献】
対馬 栄輝:理学療法の研究における信頼性係数の適用について.理学療法科学17(3):181-187,2002
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