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読書感想 『クリスマスキャロル』 ディケンズ

※ネタバレ注意




刹那的に生きる虚しさ


あらすじ

偏屈じじいなスクルージはクリスマスでも従業員のボブに厭味を吐き捨て過ごしていた。
その晩共同経営者であったマーリーの幽霊が現れる。
マーリーはスクルージのような自己中心的な生活をしていた反省しスクルージに今すぐ生活を改めろと迫る。
当然受け入れないスクルージだが、マーリーはこれから三日間にわたり精霊が来るのでそれを経てよく考えろという。

最初の夜来たのは「過去」の精霊。
スクルージは過去に善意に救われ、金に苦しみ、人を金で苦しめている事を見せつけられ、大いに反省するスクルージ。

次の晩「現在」の精霊が訪れる。
従業員であるボブが家族と幸せに過ごしているが、給料が十分とは言えずに苦しんでいる姿を見る。しかし、ボブはスクルージを恨まず、かわいそうだと言っている。
また、金が足りずに甥であるフレッドが死ぬことになると告げられる。
更に反省をするスクルージ

最後の晩「未来」の精霊が訪れる。
最悪な葬式を見せつけらるがそれは他ならないスクルージ自身の葬式だった。

現在に戻ったスクルージは過去の行いを悔いて善行をなしていく。

感想

「情けは人の為ならず」
という作品
単純な言葉だがそれを理解して実行するのは難しい。
知らず知らずのうちに自分も主人公の様に偏屈になっていないのか。
そんな問いかけは常に必要だろう。
そして「無知」と「欠乏」ほど恐ろしいものはない。
特に無知は知らず知らずに身に着けてしまう。

本作の様に精霊が諫めてくれればいいが、現実はそうはいかないだろう。
この本の教訓を忘れないようにしなくてはならない。

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