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子どものスイッチを入れるには(2)

 子どもを育てているとき、子どものスイッチはどうしたら入れられるのか?と思っていたものです。

スイッチは人それぞれ

 何年も人と接する仕事をしていると、人のスイッチは人それぞれだと思います。でも、スイッチを入れると言うことは、その物事に対して人が納得することだと思います。納得できないから、行動を起こせないのです。人がどこで納得できるのかは、人によって違います。

 簡単な例では、学校であこがれの先輩が「みんな、静かにしよう」と集会の時に言うと、教師が言うよりみんな黙る、ということもあるでしょうし、お母さんの笑顔が見たいから宿題をがんばる、ということもあるでしょう。これは、人の影響を受けているわけですが、その人が言うと本人が納得するわけです。先日話したタブレットによる体温入力。紙に記入する方がいいと思っている教師に「Aさんが入力していないのでご指導ください」と言っても、「めんどうくさいな」と言う顔をされました。でも、その後に「入力しなくても、先生は何にも言わない・・・ってなるのはよくないと思うのです」というと、顔つきが変わって「そうですね。すぐに指導します」とおっしゃいました。その教師のスイッチは、体温入力の意義よりも決まりを守らせる意義を強調した方が、納得されたのです。

スイッチを探すのは傾聴がよい

 スイッチを探すのは傾聴がよい、というか、傾聴の目的がスイッチ捜しと言った方がよいかもしれません。

 朝、登校してきても鞄もそのまま、提出物は出さない、すぐに友だちと好きなことを始めてしまう生徒がいました。担任が何度注意しても、朝することを書き出して掲示しても、全くできません。担任がした指導は、決して悪いものではありません。しかし、本人の行動のスイッチを入れることができないのです。担任は困ってしまいましたが、他の教師が出した答えは、本人が自分で考えて、「これをしないといけないな」と本当の意味で納得しないと行動はできないだろう、と言うものでした。生徒が納得するように教師が話すためには、その生徒が自分で行っている良い行動(ちょっと変な表現ですが)をよく見て、何がスイッチになっているのかをつかむことです。見るだけではわからないので、なぜ行動できているのか質問してみるのです。生徒との質問と回答のやりとりで、この生徒はどのようなことがスイッチになっているのかをつかんでいきましょう。

 傾聴しながら、教師が引っかかったところに質問をするのです。その質問は、簡単ではないかもしれません。でも、やっているうちにわかってきます。

 傾聴は、子どものスイッチをつかむのにとても大切なものです。

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