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発達凸凹の子どもの思春期

発達凸凹の子も定型発達の子と同じように成長する

発達障がいや知的障害の子の思春期の心の発育について、書かれた文献を読んだことがありません。あんまり見たこともないのです。

だから、これから言うことは私が出会った子のことだけかもしれません。
そう思って読んでください。

確か恥ずかしいという感情が芽生えてくるのが3歳ごろ。
それから、成長して中学生くらいになると「友だちと一緒が良い、違っていると恥ずかしい」と思うようになります。

それは、なぜ私がそう思うのかを説明していきます。

発達凸凹や知的障害の子は、授業の内容が理解しにくいことがあります。
通常学級で一緒に授業を受けているときに特別支援教育支援員さんや支援学級の担任がそばについていることが多々あります。

小学校の頃はそばについてもらって、わからないことは何でも支援員さんや担任に尋ねていたのに、中学校に入って少し経つと嫌がるようになります。
これは中1あるあるなのですが、小学校の間は、周りから自分がどのように見られているのか考えたことがなかったのに、中学生になると急に分かるようになるのです。
早い子は小5くらいから、先生がそばにいるのを嫌がるようになります。
そして、みんなと同じようにしたいと強く思うようになるのです。

他人の目から見た自分が分かるようになることをメタ認知と言いますが、メタ認知は10歳くらいから発達すると言われています。
そして、思春期に入ると他人がどのように自分を見ているのかを強く気にするようになります。

先生がそばにいるということ、すなわち他人から見た自分が分かるようになるのは、発達凸凹や知的障がいがあったとしても、同じように感じるのだなぁと思うのです。

他人の目を気にする

他人の目から見た自分が分かるようになると、他人からどのように見られているかをひどく気にするようになります。

ですから、思春期の子は「鏡が喜んでいるだろうな」と思うくらい鏡を見ます。そして、髪型や服装をとても気にするようになります。「誰もあなたのことは見ていないよ」と言おうもんなら「見てる!!」と言われてしまいます。見られていないとしても気になるのです。

定型発達の子でも髪型や服装が気にならない子もいますから、同じように発達凸凹や知的障がいの子の中にも気にならない子もいます。

髪型や服装は気にならなくても、自分一人だけみんなと違っている、自分一人だけできない(本当は他にもできない子はいるのですが)ことについては、特にみんなからどう見られているのかを気にします。

支援学級に在籍している子は、通常学級で授業を受けるのが辛いときには、支援学級で受けるようにしています。
通級の対象になっている子も、通級指導教室で授業を受けることができます。しかし、通級指導教室に移動するときには、彼らはみんなに分からないように移動する努力をしています。
辛い思いをするのは、通常学級に在籍している発達グレーの子たちです。
みんなと同じようにしたいので、そばについてもらうのを嫌がり、勉強がどんどん遅れてしまう・・・という状態になることがあります。

みんなと同じようにしたい

先で述べた「自分一人だけできない」と思っている子は、人から見られて恥ずかしいと思うと同時に、みんなと同じようにしたいのにできないことに非常に嫌な気持ちを持っています。

みんなと同じようにしたい。
みんなと同じことができないなら、みんなと一緒にはいたくない。
そして、不登校になっていく発達凸凹の子がいます。

子どもは成長していく

発達に凸凹があろうが知的にゆっくり成長していようが、定型発達の子たちとおなじように他人の目を気にするようになるのです。
もちろん、個人差はあります。

みんなと同じことができなければ、学校に行きたくない
という生徒は少なからず存在します。

学校で行うことが全てではない
同じことができないあなたも素敵なんだよ

という価値観を育てていきたいと思うのです。

中学生は、人の目を気にして、みんなと同じようにしたいという気持ちが強い時期です。
そして、定型発達であっても自己肯定感が低くなる時期です。
このしんどい時期を苦手が強く出てしまう発達凸凹の子どもの自己肯定感を保てるように、学校教育をがんばって行きたいなと思います。




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