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きちんと理解したら楽しみが広がる!手作りパンの製法 『中種』と『ポーリッシュ種(液種、元種)』について


天然酵母でパンを作る際にレシピに出てくる『中種』と『ポーリッシュ種(液種や元種ともいわれる)』
どちらも、粉+酵母+水分で前種を作り、発酵させてから本生地を作る方法です。
材料も工程も一緒。違うのは、粉の量と水分量。

しかし、粉の量と水分量が違うだけで、特徴がガラリと変わってきます。
天然酵母というと重くもっちりしたイメージですが、製法次第で軽くふんわりした焼き上がりにすることが出来ます。  

今回はパン作りの楽しみが広がる
『中種』と『ポーリッシュ種』について詳しく説明したいと思います。

中種の特徴

中種作り

加水率60%の硬めのテクスチャー。
・水分が少ないため微生物の活動は鈍いが、そのため生地に入れる種を多めにすことで発酵力が安定する。
・固めの生地でグルテン骨格が残りやすいため、ダメージ(強い捏ね)に強い。
・生地はソフトに焼き上がる。

ポーリッシュ種(液種、元種)の特徴

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液種や元種ともいわれ、加水の多いハード系のパンによくみられる製法。
加水率100% 小麦粉と水が1:1のドロっとした柔らかいテクスチャー。
・水分が多くグルテン骨格が弱く切れやすいので、捏ねずに低温長時間発酵(一晩以上冷蔵庫で管理)させるレシピが多く、ゆっくり発酵させることでグルテン膜の生成され、熟成した味わい深いパンに仕上がる。
・水分が多いので微生物の活動も活発。なので酵母は少量で良い。
・生地が緩く気泡が広がりやすい。気泡は粗く歯切れの良い食感のパンになる。
・パンの老化が遅い、ボリュームが出やすい。

中種法とポーリッシュ法(元種)の違い

【水分量】
中種…水分量は粉の60%程度で硬い。
元種…水分量は粉と同量(100%)でとても柔らかい。

【生地に加える量】
中種…50%〜100%
元種…30〜40%程度。

【種の発酵時間】
(酵母量20%温度25℃で、2倍になるまで)
中種…5時間程度
元種…3~4時間

【向いているパン】
中種…フワフワのパン。(シナモンロール、食パン、クロワッサンなど)
元種…歯切れの良いハード系のパン。(カンパーニュやバゲットなど)

カンパーニュやバゲットなど油脂糖分がほとんど無い簡素なパンは、少量の酵母でも発酵しやすいので元種で作るが、シナモンロールなど油脂糖分が多いパンは少ない酵母量では発酵しにくいので中種を使用する。

補足
夜寝る前に種を仕込んでオーバーナイト発酵させたり、
夏場は常温1~2時間→冷蔵庫発酵、なども可能。
その時の気温に合わせて種を作ります。
また、種を冷蔵庫管理した場合は、1〜2時間室温において種を復温させてから使用します。

まとめ


それぞれの特徴を理解することで、既存のレシピを読み解いたりアレンジするヒントになったりと、パン作りの楽しさが広がります。

フワッとさせたい、歯切れ良くしたい、ボリュームを出したい、日持ちさせたい…など、自分がどんなパンを作りたいかによって製法を変えて試してみるのも楽しいです。

以上、2つの前種についてのまとめでした。

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