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〜オンラインセッションはオフラインセッションと比べて圧倒的に非言語情報が使われない!?〜 『月刊非言語情報マガジン』 vol.2 by コーチングクリニックPRO

みなさん、こんにちは!
プロのコーチをより上手くするスクール「コーチングクリニックPRO」の非言語情報マガジンの編集長を務める張孜翔です。

今回は、オンラインとオフラインの非言語情報に着目して、お話を勧めていきたいと思います!

月刊非言語情報マガジンとは?

このマガジンでは、コーチングクリニックPROで毎週実施しているコーチングセッションから非言語情報のみを抜粋し、それに対する分析および考察を掲載していきます。今回が第2回の2月号です。

他にも「スキル」「感情」を取り扱うnoteマガジンがあり、投稿されていますので、そちらもぜひ併せてお楽しみください。

▼創刊号はこちら▼

非言語情報とは?

言葉ではなく、表情やしぐさ、身体の動きなどの態度に現れる情報のことです。言葉によらないコミュニケーションを、非言語コミュニケーションと呼びますが、企業内でも業務を円滑に進める上で、非言語コミュニケーションへの理解が求められています。このマガジンでは、セッション内で起こる以下3種類の非言語情報について扱っていきます。

①視覚的要素
表情、顔色、口角、目の動き、まばたき、眉間のしわ、視線の方向など
②聴覚的要素
声のトーン、高低、テンポ、リズム、音質(滑らか、ハスキーなど)、言葉(相手がよく使う言い回しやクセ、感情がこもっている/いないなど)
③身体感覚的要素
身体の動き(うなずき、貧乏ゆすりなど)、ジェスチャー(身振り手振り)、しぐさ(腕組み、足組み、鼻の頭をさわる、髪をなでるなど)、呼吸(ピッチ、深さなど)


2月号で扱う非言語情報のテーマはこちら

検証:オンラインセッションとオフラインセッションでは、ハンドジェスチャーの使用頻度に差はあるのか!?

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1月号でもすでにお伝えしているように、オフラインセッション中では、クライアント・コーチに関係なく多くの非言語情報を発していることを確認することができました。そして1月に続き、2月のオフラインセッション中でも、クライアント・コーチに関係なくハンドジェスチャーを多く使用することが確認できました。またハンドジェスチャーを使用するタイミングも、1月分と大差はありませんでした。

以下は、1月号のオフラインセッション内で観察されたハンドジェスチャーの使用する4つのタイミングを再掲しています。

​①自分のイメージをビジュアライズして説明する際に使用
 例)複数選択肢を示す時、物事の構造化を表現する時
②気持ちや経験などを口頭でうまく説明できない時
③自分を指すとき
④深い思考するとき。(手を体の一部に当てて考える)

そのため2月号では、オンラインセッション時に、クライアント、コーチの双方にどういう変化が起きるのかを今月は見ていきたいと思います。

検証テーマ設定理由

まず今回このテーマにした理由について説明したいと思います。テーマの着想は、僕個人の違和感からです。僕の場合、対面でのコミュニケーションの場合はかなり身振り手振りを使ってお話をします。ただオンラインになると、自分の身体的動きがかなり制限されるように感じます。(それでも人と比べて体はよく動くほうだと思いますが、、、)

そして今回、林さんのオンラインセッションの動画を見る際に、クライアントと林コーチの非言語情報の少なさに違和感を覚えて今回のテーマにしています。

検証方法

実際にオンラインセッションとオフラインセッションにおける、コーチ及びクライアントのハンドジェスチャーの回数をそれぞれカウントしました。そしてその出現頻度の差を、最終的に数字で出しています。

カウントに使用した動画は2月に実施された動画で、
オンラインセッションが1回、オフラインが2回でした。

※前提1:コーチについてはオンライン/オフラインに関わらず、一貫して林コーチが担当されているため、その変化について述べています。

※前提2:同じクライアントがオンライン/オフラインセッション両方に登場しなかったため、厳密なクライアントのオンライン/オフラインの変化は追うことができませんでした。しかし、それでも明らかに参考になる要素はあったため、ここに記載しています。

※前提3:カウントに使用した動画数が3つと少ないですが、このマガジンは正確なデータをみなさまに提示することよりも、新たな視点を提供することに注力をしています。ご理解の程よろしくお願いいたします。

検証結果

オフラインの場合と比べて、オンラインセッションのコーチのハンドジェスチャー回数は47%減少します。(林コーチの場合)

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具体的に見ていきます。2月に行われたオフラインセッションは2回でした。そのコーチのハンドジェスチャーはそれぞれ44回と34回であり、平均して39回です。そしてオンラインセッションで行われた1回のハンドジェスチャーの回数は21回でした。その差分を割合で出すと上記の47%減という結果になります。約半分です。みなさんはこの数字についてどう捉えるのでしょうか?多いのか、それとも少ないのか?それともたまたまだと思うのでしょうか?

そして、クライアントのハンドジェスチャー回数に注目すると、オフラインセッションの2回では、それぞれが常にハンドジェスチャーしている状態でした。(決して数えるのが面倒くさかったわけではなく、本当に絶え間ないぐらいされていたため、わかりやすく「常に」と表現しています)それに対して、オンラインセッションではたったの2回でした。重要なので、もう一度言います。たったの2回です。

先述した前提のように、同じクライアントではないため、たまたまクライアントの特性として、全然ハンドジェスチャーを使わない方だったという可能性ももちろんありますが、それにしても違いがあまりに歴然としていたため、あえて記述させていただきました。

考察

では、上記の結果を受けて、どうしてオンラインのほうがハンドジェスチャーが少ないのか?について少し考察してみたいと思います。

これも結論からですが、個人的な見解として、ハンドジェスチャーの減少理由はすごくシンプルで、面倒くささから来ていると考えています。

オンラインでセッションを実施する場合、多くの方は胸より上を画面上に映します。肘から下は基本見えていないのがほとんどです。そのため、ハンドジェスチャーをする際には、手を意識的にカメラの映る高さまで挙げなければいけない、という余分な行為が発生します。ほとんどの場合、この行為がめんどくさいため実施されていないのではないかと考えています。逆に、上半身や全身が映っていると、オフラインのハンドジェスチャー回数と大差はないではないかと思われます。これも機会があれば、ぜひ実証実験やってみたいですね。

ハンドジェスチャー以外で気になったポイント

非言語情報はコミュニケーションをより円滑にしてくるための大切な役割を担っています。その一つであるハンドジェスチャーが約半分までも減ってしまっては、コミュニケーションに影響を与えないか心配になりました。

では林コーチはハンドジェスチャーの減少分の非言語情報をどこで補っているのでしょうか。観察していると、答えは表情にありました。

林コーチの場合、オフラインセッションよりもオンラインセッションの場合のほうが口角の角度が高く、頷く頻度や頷く深さも多く、そして深くなります。そこで安心的な場作りを意図しているようです。

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この事実と考察を林さんにぶつけてみました

そして林さんよりいただいたコメントがこちらです。

興味深い考察ですね。
対面セッションとオンラインセッションが大きく異なるのは、クライアントさんからコーチがどう見えているかです。対面であれば、クライアントさんはコーチの全身を見ることができます。反面、オンラインセッションでは画面に映る胸から上しかクライアントさんからコーチの姿を確認することができません。つまり、手の動きを常に見ることはできないということです。
このいわゆる「見え方」によって、コーチはハンドジェスチャーの部分を調整しています。
全身が見える場合は、表現方法の一つとしてハンドジェスチャーを活用する。オンラインの場合は、画角から手の動きが見切れることが多いので、必要最低限にするという切り替えをしているということがわかります。

だそうです。

個人的な実感として、このオンラインとオフラインの差は僕や林さんだけの話に限らないと考えています。気になる方は、ぜひ普段の生活とオンラインでの違いをご自身で確かめてみては?

『月刊非言語情報マガジン』2月号の内容は以上になります。
また3月号お楽しみに〜^ ^ 

最後に

コーチングクリニックPROでは一緒に学ぶ仲間を随時募集しています。質の高い継続学習を一緒にやっていきましょう。

それではまた3月号でお会いしましょう!

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